表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2193/2701

2193 前に進む為のxの問い編 567

(あれは……)


 何やらローレも同時にやってるわけだけど、それによってコードに変化がみられる。でも……見た目的には一切の変化はない。僕がそれをわかるのは、コードを見てるからであって、そうじゃなかったらこれにはきっと気づくことができないだろう。


 内部を見れないと気づかないって……まあこれって僕がきっとずるしてるんだろう。


「フィア、もう一度」


「ハイです!」


 そういったフィアはローレの隣に並ぶように飛んで、「はーふー」と一度息を吸って吐いた。それからまずは「ああー」とどこまでも伸びる声を出す。そして再び妖精の里へと続く道を開く歌を歌い始める。


「わっ凄い! なんかさっきよりも凄いよ!」


 そういってるアーシアの言うとおりに、なんかさっきとちょっと違う。なにせさっきはなんか段階的にどんどんと周囲に影響が出て行ってたような……そんな感じだった。それに……だ。それに……


「森全体が歌ってるみたい」


「そうだな……」


 そうなのだ。さっきはこの場所の一部だけが歌の影響を受けて歌いだしてたって感じだった。けど今はどうだ? アーシアの言うとおりに、今はそうじゃない。本当にこのクリスタルの森全体が歌の影響を受けてるかのように、どこまでも遠くからも合唱が聞こえる。


 多分だけど、それをやってるのはローレだと思われる。こいつがきっとアーシアの歌を増幅してる。そしてこのクリスタルの森全体に影響を広めてるんだろう。まさか、こいつがサポート的な事も出来るとは……びっくりだよ。


 だってローレって「私が一番」じゃないと気が済まない奴かと思ってた。多分それは間違ってないが、目的の為にはどの立場にもなれるような……そんな狡猾さもあるんだろう。まあ実際「なんでもできる私凄い」ってことで鼻高々なだけかもしれないけどね。


「これならきっと妖精さんたちも気づいて出て来てくれるよね!」


 アーシアは嬉しそうにそういってくる。そういう純粋で疑うってことを知らないアーシアの無邪気さはとても好ましい。ほほえましいと思う。けど……僕にはわかる。コードを見てるから、その歌が、ちゃんと届いてないということに。


 実際、反応してるコードがあるのは見えてる。けどそれを辿っていくと、途中でプチンと切れてるんだよね。これは僕に直せという事なのか? 


(いや、でもこれって祝福持ちにしかどうにもできないよな? けど、そんな事ってあるか?)


 それに祝福持ってても、下手にコードっていじるのって怖いんだよね。一時的なものなら別にいい。それこそ戦闘中に一時的にインベントリを開かなくするとかさ、スキルの発動を妨害するとか……そんなのなら、一時的な影響に過ぎない。


 けど、この世界そのもののコードってなると、どんな不具合が起こるかわかんないから怖い。はっきり言って、僕には会長みたいにさ、LROと自身のエリアをつなげるような……そんな事できないし。


 もちろん本当に手を出したらまずい部分はマザーによってプロテクトがかけられてて、祝福でもいじれないようになってる。流石に全てのコードを祝福持ちがいじれたりしたら、この世界の崩壊につながりかねないからな。それは納得だ。


 けど弄れるからって、何でもかんでも中途半端にいじってると、おかしな不良動作とかしてしまいそうじゃん。僕は運営の方々もしってるからね。


 その人たちがとても忙しくしてるのも知ってる。目の下に隈を作って、毎日家にも帰れない日々を過ごしてたりもするのである。そんな人たちに迷惑をかけるかもしれないようなこと……あんまりしたくないっていうね。


 はっきり言って祝福でいじる……なんてのはほぼ裏ルートみたいなものだ。普通はそれは想定されてない。なら……なら……このフィアの歌を妨害してる何かを取り除く方法は必ずあるはずなんだ。それが何なのかはわかんないけど……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ