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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2191 前に進むためのXの問い編 565

「ラ~ララララ~ラララ~」


 周囲に響き渡るフィアの歌。なんか聞いてると、胸が痛くなったり、切なくなったり……かと思ったらワクワクとしてきたり……とさらに言えば……なんか地面から花がそこらに生えてきた。


 そしてそんな花たちまでも、歌ってる。明確な声を発してるわけじゃない。けど、なんか花たちから、音楽が聞こえてくる。すごくない? どういう事なんだ? 


 よくわかんないが、これって里に入るたびにこんなお祭り騒ぎみたいなことがおこってるのだろうか? それなら誰かが気づいてもおかしくないような。


 まあこのクリスタルの森は、そんなおいしい狩場とかじゃないから、そこまでプレイヤーが常駐してるってことはないだろう。けど目的があってくる人たちってのはいるから、たまたまこの光景を見たことがあるプレイヤーとかいてもおかしくない。


 なにせこんな騒がしいんだから。


「ふう」


 フィアが歌い終わると共に、花は地面に消えていき、あたりに静寂が広がっていく。思わず拍手をしそうになったが、なんとかこらえた。だってなんか一人で拍手するとか恥ずかしいし……


「凄い! フィアちゃん凄いよおおおおお!!」


 僕が恥ずかしい……とか人並の感情を持ってる横で、アーシアが高速に手を合わせつつパチパチパチパチと涙ながらにそういってた。アーシアは心はまだ成長中だからな。小さな女の子が感動してると思えばほほえましく思える。


「ふふ、ありがとです。でも、あなたなら同じように出来るんではないですか? さっきもそうでしたし」


「ううーん」


 フィアに言われて、アーシアは考えてる。そしてこういった。


「これは無理みたい」


「「えっ!?」」


 僕とローレが同時にそんな声を出した。だってさっきの光の羽みたいなののほうが絶対に難易度的に高いだろ。なんであれが真似出来て、今の歌が真似出来ないんだよ――って感情が思わず僕とローレはあふれたみたいだ。オウラさんは相も変わらず、どんな状況でも冷静である。


 彼女は戦場では感情を動かさないらしいからね。まさにそれをやってるんだろう。


「そっかそっか、これはやっぱり難しいよね」


「うん! やっぱりフィアちゃんはすごいし、かわいいね!」


「うんうん、アーシアでしたか? あなたは見込みがあるです!」


 その小さな胸をいっぱいいっぱい反ってるフィアはとても得意気だ。まあけど、気持ちよくなってるところ悪いんだが……


「あのさ、なんも起こんないぞ?」


 それである。歌い終わった後に何か扉でも開くのか? とか思ったのに、なんかそんな事起きないぞ。何も変化がない。これって……もしかしてフィアの歌ではだめだった……という事か? 面目とか大丈夫かな?

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