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命改変プログラム  作者: 上松
第一章 眠り姫
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裏の裏は表?

 僕達は球体を抜いて行きダンジョンを元の姿に戻していく。そして同時にどうしてこうなったのかとか、脱出方法とかを考えてた。倒されてたボスクラスのモンスター。ダンジョンの目的意識の改変者。

 それらを行ったのは一体……


 僕達は元来た道を戻り、次々と球体を抜いていく。それに伴い、ダンジョンは元の姿を取り戻していく。それは複雑怪奇な分岐の連続の難関ダンジョンだ。

 だけどこうでもしないと、僕達はあのアンデット共に直ぐに追いつめられてしまう。ようやく正しい道を見つけて、ゴールにたどり着いたと思ったんだけど、これが背に腹は変えられないって奴か。


「え~と、次はどっちでしたけ? 右ですか左ですか? それともここよりも先の分岐だったかな?」

「「「え~と……」」」


 ヤバい、誰もわからなく成ってきてるぞ。まあそれだけ十分に形を取り戻したって事だけど、こうなったら広いに越したことは無いと思うんだよ。

 だから最後の一カ所を目指してる訳なんだけど……いかんせん道は複雑だよ。すると後ろから僕達の隙間を縫って紫の光が通り過ぎる。


「ちっ、もう追いついて来やがったか」


 そう言いながら後ろを見ると、数体のモブリタイプのアンデットが杖を構えてこちらに向かって来てる所だった。流石人海戦術を使ってるだけあって見つかるのが早いな。


「でも、たったあれだけ……これなら渡り合えます!」

「確かに、やれそうだ」


 奴らに苦戦してたのはあくまでもその特性と、圧倒的な数だ。だけど今は張り巡らされた通路に分散してるせいで目の前にいるのは六体位。

 あれなら、恐れる数じゃない。僕達は一斉に動き出してた。敵の攻撃をかいくぐり、一気に懐へ飛び込みその武器を切り裂く。


「まあ結局、僕達じゃ上手く倒せないからね。頼むシルクちゃん!」

「はい! 詠唱完了してます! 浄化の光で成仏してください『エルクレイション!!』」


 シルクちゃんの杖が魔法陣を浮かべて光る。そしてそれがアンデットの周りの壁にも現れた。そして一際強く光った瞬間、アンデット共は消滅した。

 流石効果は抜群だ。


「凄いね。てか、ストックの方は使わないんだ」

「ストック魔法はやっぱりそう簡単には……余裕があるときは詠唱してないと、意外と早く尽きちゃうんですよ」

「ふ~ん、そう言うもんなんだ」


 やっぱり一概に便利なだけなんてものは無いよな。てか、実際どのくらいの魔法をピクにストックしておけるのだろうか?そこら辺は僕達把握してないな。シルクちゃんしか知らない事だ。

 まあ僕達が知らなくても問題は無いんだけどね。シルクちゃんはそこら辺を上手くやるだろうし。


「切り札ってのは安売りしないものよ。ノウイとかの様な、それだけでしか存在価値が無い奴とは違ってね」

「そ、それはセラ様、あんまりっすよ!!」

「まあ確かにそうだよな」

「スオウ君も納得するなんて最低っす!!」


 はははは、ノウイの奴はついついからかいたく成るよね。まあミラージュコロイドだけがノウイの存在価値とは言えない……かな? 酷いとは思うけど、考えてみると他に何も無いような……あながち冗談では無かったか。

 僕はポンポンとノウイの肩を叩く。すると明らかに何かを感じ取ったノウイは嫌そうな表情を浮かべた。


「やめてほしいっす」


 そう言って僕の手を逃れるノウイ。まあだけど、ミラージュコロイドは貴重だけどね。戦闘が出来なくても、ノウイはミラージュコロイドと言う力で役に立ってくれてる事は確かだし。

 それに使いようによっては戦闘でも力を発揮するよ。まあ本人は、自分的には何も出来てないとか思ってるのかもだけど……そんな訳はない。


「てか、それよりもこの抜き取った球体はどうするんすか? もう必要ないっすよね?」


 そう言うノウイの腕は球体で一杯一杯。なんとも邪魔そうだ。でも必要ない……とも言えるかな?


「必要無いなんてアンタが判断しない。一応持っときなさいよ」

「ええ~これ全部、自分一人ででっすか?」

「アンタは戦闘に参加しないでしょ。つべこべ言わないでよ。それとも私に口答え?」


 セラがジト~とした視線をノウイへ送る。あれだな、立場を利用する気だなセラの奴。こう言われたら、ノウイはセラに逆らえない。


「いいえ……りょ、了解っす!」


 そう言ってノウイは渋々、球体を抱え直す。するとそこでテッケンさんがこんな事を言った。


「わざわざそのまま持っとかなくても良いんじゃないかな? アイテムとして中に入れれば良いじゃないか」

「ああ~確かにそうっすね」


 テッケンさんのアドバイスを受けて、ノウイはウインドウを出す。そして球体を指定してアイテム欄へと納めていく。


「何だって入れられるんですね。LROって」


 そんな様子を見てた僕はそう言った。アイテムなんて知らない間に増えてる位だから、ああ言うのは入れたことも無いんだよね。最近は金魂水くらいだったけど、あれは重要アイテム。あんな役に立つか分からないのとは違う。

 パーティー組んでると、自動的にアイテムが振り分けられるしね。


「石ころだって棒きれだって一応アイテム欄には納められるよ。まあそんな無駄な物を入れとくなんて事は、そうそうしないけどね」

「はは」


 確かに石ころとか入れてもな……アイテムはどんどん増えるんだし、その内この容量じゃ足りなく成るんだろう。無駄な事に貴重な容量は使えない。

 まあそれを無駄な事に使わせたのかも知れないな……ノウイに。


「おお、この球体意外とちゃんとした名前があるんすね」


 そんな事を言いながらアイテム欄を見つめるノウイ。まあ本人がそんなに気にしてないようで安心だ。そもそもセラに言われたら、何だってうれしそうだもんなコイツ。

 さて、ノウイも身軽に成った所で僕達は最後の一つを求めて足を進める。途中で出くわした敵は、シルクちゃんの魔法で昇天させていく。


 だけどあれだな……本当に出れるのかどうか……それがわからないのが何とも言えない空気を生み出す。幾ら敵を倒しても、勝ってる気にはならないもん。

 あの通知通りなら、僕達がまだここにとどまってる事自体が無駄なのかも知れない。今のままじゃ、僕達には勝ちなんて言葉は存在しないも同じだよ。

 まあ今はどうにか出来ると信じるしか無いんだけど……そうこうしてるうちに、最後の一個の場所へ僕達はたどり着く。だけど迷ってたせいか、敵の方が早くついてるじゃないか。

 しかもこの球体のある場所は、決まって少し余裕のある作りに成ってるから、敵も通路で出会す時よりも多い。ざっとみても十数体。


「先を越されましたね」

「ええ、でもあいつ等は別にここに留まってる訳じゃない様ですよ。少し待てば居なくなるかも知れません」


 シルクちゃんの言葉に、セラがそう続けた。確かに奴らは僕達を待ち伏せしてたって感じじゃない。常にウロウロしてるし、敵を倒す為にただウロウロしてるだけって感じだな。

 そしてその確実性の為のアンデットって感じ。普通なら、そうそう倒せる奴らじゃないからな。僕達には腕利きのヒーラーが居るからどうにかなってるけど、普通は一体倒すだけでもアンデットは厄介なんだ。

 それがあれだけ……思い出すだけでも確実に攻略不可を狙ってるとしか思えない嫌がらせだ。まあそう宣言された訳だけどさ。するとその時、ピクがシルクちゃんの肩で首を長く伸ばして、周りをキョロキョロしだす。

 そして耳元で「ぴーぴー」小さく鳴いた。


「どうやら、あんまり待ってる訳にはいかないみたいです。敵が近づいてるってピクが言ってる。このままじゃ、挟み撃ちにされちゃいます」


 ピクの敵感知度は信用できるから、きっと本当だろう。となると、今直ぐにでも飛び出す他ないな。このまま黙って挟み撃ちに合う訳にはいかないし、どのみちここは避けてはいけない場所だ。

 僕はセラ・シルフィングに力を込める。


「いきましょう。先ずは僕とテッケンさんとセラが先手を取ります。そして反撃が来そうになったら、鍛冶屋の攻撃で地面を揺らせ。

 奴らの足下が疎かになってる所でシルクちゃんの魔法で止めを指す。ノウイは念のための逃走ルート確保な。どうですか?」


 シルクちゃんなら、この流れの間に詠唱を終わらせられる筈だ。まあ真っ先にストック魔法を使うって手も有るけど、でも十数体くらいなら、切り札を使わなくてもこのメンツならいけるはずだ。


「そうですね。ベストだと思います」

「ああ、それでいこう!」

「じゃあ私は左側をやるわ。後は適当で」


 みんなの賛同の声。よし、じゃあとっとと行動開始だな。僕とセラとテッケンさんが真っ先に通路から飛び出して敵へと迫る。完全な不意打ちで、敵が攻撃に入る前にこちら側からの先制攻撃をたたき込む。

 アンデットだけあって動きはそんな速くない。僕達三人はそれぞれのスピードと特性を生かして作戦を成し遂げる。

 けどそこもやっぱりアンデット……ただの斬撃程度じゃ直ぐに立ち上がって来やがる。そして数体を相手してる間に、残りの奴らが杖に光を集め出す。

 だけどここで奴の出番だ。


「鍛冶屋!!」

「いっくぞおおおお!! 『ウィル・スタンプ!!』」


 鍛冶屋の大槌が地面に叩き込まれる。陥没する地面。そしてその衝撃は周囲にも広がった。揺れる足下、そのせいで敵の照準がずれて光はあらぬ方向へと飛んでいった。急いでもう一度、僕達に照準を合わせるアンデットども。だけどもう遅い。

 そこでシルクちゃんが杖を掲げて現れる。


「終わりです。『ホーリークラッシャー』」


 そう言ってシルクちゃんは、杖の底で勢い良く地面を叩く。すると全包囲に向かって光の波が放たれる。それらは僕達にとっては眩しいだけだったけど、敵は何故か吹き飛んだ。そして壁へ激突するなり、ボロボロと形を保てず消えていく。


「ふう、数が多いと魔法の選択も大変です。まあだけど、相性がいいから助かります。奴らにはHPが無いけど、だからこそ光の魔法はどんなに弱くても効果は抜群ですからね。

 さっきのも別段強力な白魔法じゃないですから」


 なるほど、一撃の破壊力じゃなく全体へ行き渡らせる方をシルクちゃんは選択したって事なんだろう。確かにどんなに弱くても効果抜群の魔法なら、全体へ行き届く方がいいよな。

 でもそれもこの程度の数にならって事何だろうけど。流石にあのだたっぴろい空間では、幾ら何でも広すぎ多すぎで行き渡らないんだろうな。

 それにここは簡単に近づけるのも大きい。このアンデット共はモブリだから遠距離型だ。あの広い空間じゃそもそも近づく事さえ困難だったからな。

 でもここなら近づいて間近で魔法を浴びせられる。それが効果覿面な理由だよな。


「よし、後ろから敵が来る前に玉を引き抜こう!」


 僕達は最初の分岐の集中地点へ集う。そして隅っこにある台座から球体を引き抜いた。するとこれまで通り、それぞれの玉毎に違った模様が光り、そして消える。

 すると予想通りの振動と共に、塞がれてた道が姿を現した。


「これで最初に戻ったんだよな?」

「その筈っすね――ってなんでそれを自分に押しつけるっすか?」


 ノウイの奴は僕が何気に渡そうとした球体を受け取るのが不満らしい。自然な流れで押しつけられると思ったんだけどな。


「こういうのはっすね、それぞれが持ってたほうがいいもんなんすよ。だから自分に集中させるのは得策じゃないっす」


 なんかノウイの癖に最もらしい事を言うじゃないか。まあ確かに一理あるかもだけど……僕は球体を見つめて、だけどやっぱりノウイへ押しつける。


「まあ、お前は一番逃げ足も速いし、戦闘でも安全な位置に居るしで丁度良いじゃん。保険だよ」

「保険って……まあ、戦闘で役に立てないとこを突かれると逆らえないっすけど」


 そう言って渋々ノウイは球体をアイテム欄に納める。まあこれで一応第一の目標はクリアできた訳だ。僕達は逃げ回る為の場所を確保出来た。

 全ての通路は最後の球体を抜いたことで解放された筈だからな。まあ時間稼ぎにしかならないし、何の解決にも成っちゃいないんだけど。


「ちょっと、遊んでないで取り合えず進むわよ。後ろから敵が来てるんだから、ここで立ち話なんて出来ないわよ」


 僕とノウイが球体の押しつけをやってる間に、みんなは進むルートを決めてたらしい。セラが僕達に向かってそう言いながら、既に歩みを進めてやがる。

 セラがそれを僕らに伝えてくれただけありがたいのかな。みんな実際なかなか余裕なさそうだからね。色々と考える事が多すぎる。


「待ってくださいっすセラ様」


 そう言いながらセラの後を追うノウイ。そして僕も最後にその後を追いかける。


「セラ様、この球体って他に使えるんすかね? 置いてきても良さそうな気がするっすけど……」


 まだ言うか。実際ノウイは球体を相当邪魔だと思ってたみたいだ。だけどそんな意見はセラには通る筈もないだろうに。


「別に使えるかなんて私にだってわからないわよ。だけど、一応ここで手に入れられる貴重な物だし、ここに居る間は持ってても良いかもって思ったのよ。

 アンタは余計な事なんて考えなくていいの。私の言うことをちゃんと口答えせずに聞くのが部下の役目よ」

「それは……わかってるっすよ」


 哀れなノウイは、予想通りの事を言われた。ちょっとした質問感覚だったんだろうに、なんか立場って奴が見えてるよ。

 あんな横暴な奴が上司に居るとか、最悪だな。ゲームなんだからそこら辺はもっと軽くで良いと思うんだけど……まあエルフの事情に僕が口を出すことでも無いよな。

 それに案外、ノウイはあれだけ言われても、逆になんか嬉しそう。


「自分は……セラ様のお役に立てるのなら……どんな事だって……火の中も水の中にも……飛び込む覚悟くらい……」


 ブツブツそんな事をノウイは視線をさまよわせながら言ってるもん。けどそんなノウイを余所に、セラはこちらの方を向いて、何か言いたげに口を開け閉めしてる。


「あ……んん……」


 とかなんとか、なんともモドカシい事この上ない。セラはそんな奴じゃないだろ。なんだってんだ一体?


「言いたいことが有るなら言えよ。我慢強い方じゃないんだから。体壊すぞ」

「なっ、私は実はかなり我慢強いわよ。てか、そう言う無駄話じゃなくて……」


 折角途中までは今まで通りに喋れてたのに、セラは再びなんだかもどかしいモードに入ってしまう。何? そんなに言いにくい事でも有るのだろうか?

 するとセラはようやく、何かを決めたような顔で表したウインドウを見つめてこう言った。


「ちょっとこれ見てみなさいよ」

「うん?」


 そう言って他人にも見える用にウインドウを操作して、セラはそれを向ける。そこに表示されてるのはメール? GMコールと銘打ってあるな。

 つまりはLRO内にいる、運営側の人達(ゲームマスター=GM)にこの状況をセラは報告したって訳だ。なるほどね、確かにそれは妥当な方法だ。てか、なんで真っ先にやらなかったんだって位だよ。


 システム異常でこんな状況に落とされてるのなら、GMに頼るのは当たり前だ。運営側ならどうにか出来る筈だもんな。

 良くやったセラ――とか心で呟きながら僕はGMから届いたメールの内容へ目を通す。するとそこには意外な内容の文章が書かれてた。


【貴殿の申請されたダンジョン脱出口の喪失というシステム異常は現在検出されませんでした。LROは現在良好に稼働中です】


 それがメールの文面だった。手助けとか、解決策とか以前の文面だよこれは。システム異常はないだと? じゃあ僕たちが陥ってるこの状況は何なんだよ。


「これって……じゃあ誰がこのダンジョンの出口を閉じたって言うんだよ」

「GMが言うにはシステム異常が原因じゃ無いって事。だとしたら、元からこういう仕様とか……まあこいつらの言葉が全部信用出来るのならだけど」


 信用って……一応ゲームマスターだぞ。マスター名乗ってる訳だからな、信用第一でやってる筈だろ。でも待てよ……そう言えば前にも似たような事を返された気がするような……


「システム異常じゃないのなら、良いじゃないか」

「テッケンさん?」


 僕たちの会話に割って入って来たテッケンさんは、なんだか既に知ってた様な感じだな。僕に見せる前に、テッケンさんやシルクちゃん達には見せてたのかも知れない。

 意見を貰うにしても、話し合うにしても、僕よりもテッケンさんやシルクちゃんとかの方が良いだろうしな。なんてたってキャリアが違う。


「システム異常の事故なら本当に我々にはどうしようも出来ない事だよ。だけどこれも仕様なら、出る方法は有るって事じゃないか」

「それは……確かにそうかも。でもそれじゃあ、このダンジョンの目的意識を変更したのは誰なんですか? それこそそんな事はシステムに直接干渉出来る様な奴しか……」


 ん? なんかそんな奴ら居ないか? システムの裏側に潜むあの姉妹。あいつ等なら、こういう事が出来てもおかしくはない様な……

 僕の深刻な表情にセラは何かを察したのか、そいつ等を臭わせる様に続ける。


「まあ大体何を想像してるかは察っしが付くわよ。私達もそう思ったし……だけど、あいつ等がここに関わってくる動機は何?

 今度はノーヴィスを落とすつもりなら、もっと別の攻め口があるわよ。アンタに嫌がらせしたいだけってのも考えられるけど……でもそれも実際微妙でしょ」

「う~ん」


 シクラとかならそれだけでもやりそうだけど……けど確かになんかちょっと違う気がしなくもない。そもそも目的意識を変更って所がなんだか……回りくどい?


「なあ、ここは元々何の為のダンジョンなんだ?」


 僕は多分、わかりきってるであろうその事を口にした。すると案の定、セラがバカにしたようにこういう。


「何今更言ってるのよアンタは。ここは箱庭へ行かせない為に有るんでしょう」


 まあ、妥当な答えだな。けどちょっと違うとも思う。だってこれはゲームで、基本それに沿ってる訳だよ。


「行かせない訳じゃない……楽に行かせない為にここはあったんじゃないのか? つまりは最終的にはちゃんと箱庭へたどり着ける……それがこのダンジョンだろう。

 そう思ったからこそ、僕たちは進んだ訳だしな」


 僕は色々と考えながら言葉を紡ぐ。間違ってはいないよな。だからこそあそこまで……後一歩の所までいけたんだ。

 けどこれでも……やっぱりちょっと違うか。見方がおかいしのか? 何かズレてる……そんな感じ。するとその時、前方の方から「それです!」って言う声が唐突に上がった。

 僕たちは思わず心臓が飛び出るかと思う位にびっくりした。だって普段はそんな大声シルクちゃんは出さないからな。


「どうしたんだいシルクいきなり」


 耳を押さえながらテッケンさんが、シルクちゃんにそう問う。


「みんなの会話ずっと聞いてました。そして私もずっと考えてたんです。どうしてこうなったのかなって。それがさっきのスオウ君の言葉で解けたかも知れません!」

「僕の言葉って?」


 困惑気味に僕はそう言う。でもそれが本当なら、胸がさらにドキドキしそうだな。


「スオウ君は箱庭に行くためにここは必要って言いました。それはきっとその通りなんです。でもちょっと意味合いが違うのかも。

 スオウ君は制作側……ゲームとして攻略の為にそうなってて当たり前みたいな感じだったけど、でもそれをここ、LROという世界を主体にして考えたらどうですか?

 ここは行かせたくない訳でも、楽に進ませない為の物でもなくて、通り方を知ってる物だけが箱庭へ行くための道だとしたら!? あの倒れてたボスクラスのモンスターの意味もそれで……」

「「「「!!」」」」


 そのシルクちゃんの言葉は今までの何よりも納得できる。そして更に彼女は続ける。


「つまりここはトラップではなく本筋……そして誰がここを作ったのかも大体想像できます。それがこのダンジョンの目的意識の改変者。

 そしてそれは元老院か……ミセス・アンダーソンのどちらかです!」

 第二百十九話です。

 すみません遅くなりました! 復旧したみたいなんで今上げます! 今回はダンジョンで起こった事に対して、スオウ達が自分たちなりの答えを見つけて前へ進む回でした。

 次回は本格的に脱出です! でも問題はまだありますけどね。

 てな訳で次回は明日上げます。確かこれは木曜日でしたよね? だから次を明日上げればこれまで通りなはずです。ではでは、また明日です。

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