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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2189/2701

2189 前に進むためのXの問い編 563

「妖精ですか。楽しみです。貴方といたら見れるんですよね。やっぱり絵本のような見た目なのでしょうか?」


「……ええ、そうよ」


 どうやらローレの嫌味はオウラさんには効かなかったらしい。なにせ普通にオウラさんは妖精が見れるってことでワクワクしてるフシがある。それにアーシアも「わーい」って感じで喜んでる。なんか喜んでる二人に対してマウントを取るのも虚しくなったのか、それからはどんどんと奥へと進んでいく。


「妖精って普通に見えるのですか?」


「彼らが姿を表したいのなら、見ることは出来る」


「でも、何も雰囲気はありませんね」


 ちょっとだけ目を閉じて集中したオウラさんはそんな事をいった。武術の達人でもあり、世界最強の傭兵でもある彼女は本当の本当に人の気配とかを感じる事ができるのである。これはゲームのシステムだから……とかではない。本当にリアルでも出来るのだ。


 実際僕には妖精の気配って奴がどんなものなのか……全く持ってわかんない。わかんないが、オウラさんがそういうのではアレば、実際問題近くには妖精はいないのだろう。


「まあ普通は妖精なんて感じれもしないものよ。だって、奴らはいたずら好き。隠れるのとか上手だからね」


「なるほど……」


 なるほどとかオウラさんは納得してるが、実際ローレの言葉とオウラさんの言葉、どっちを信じるか……といえば、実際オウラさんのほうが……僕的には信じたい気持ちはある。


 実際LROではローレの方が古株だし、ここでの経験は圧倒的にローレなのもわかってる。それに今この場の中では、妖精に直にあったことがあるのはこいつしかいない。まあペルチェルラさんも妖精ではある。妖精ではあるが……彼女は普通の妖精では無いからね。この森にいる普通の妖精って知らないんだよね。


 だから本当に妖精は隠れるのが上手で、オウラさんの気配を察知する能力とか経験をかいくぐることが出来るのかもしれないが……実際リアルでのこの人の強さをしってるとね……なにせフルダイブというこのゲームの性質上、リアルの強さってちゃんと反映されるんだよね。


 勿論馴れは必要だ。けど……実際ちゃんとリアルで格闘技とか習ってる人は強かったりする。勿論、そうじゃなくてもスキルとかに馴れてくれば、リアルでは出来ない動きをLROでは出来るから、差なんてなくなっていくが、でもやっぱりやってる人とやってない人とでは初期値のステータスが違うっていうか? そんなのは実際ある。


 それに今回は肉体的なことではなく、それこそ経験則とか……実践とかで培ってきた勘とか感覚的な所。それだってちゃんとLROでは役立てることが出来る。もちろんスキルで『危険感知』とか『気配察知』とかそんな感じのスキルがあった気はする。それはシステムがある意味でプレイヤーやら、モンスターやらを教えてくれてるわけだ。


 僅かな情報を流して分からせてる……って感じだろう。それをリアルで……それこそ何の補助もなしでオウラさんは出来る。それならここでも出来てもおかしくない。


「ちょっと出てきなさい」


 そんな事をちょっとだけ開けた場所まできたらローレが言った。けど……


 シーン


 ……としてる。妖精が出てくる気配は一切ない。もしかしたら光が収束してポンッと妖精が出てくる演出でもあるのか? とか期待したがそんなの一切ない。ひたすらの静寂。


「ちょっと、聞いてるでしょ? 私がやってきたのよ?」


 そう言って何やらローレはちょっと首元をつかんでぐいっとした。するとローレの鎖骨があらわになる。そして鎖骨をなぞるように手を動かす。なにそれやりたい――とか思ったのは内緒だ。勿論ローレではやらないよ。やるなら日鞠だな――とか思った。


 するとその手の動きの後にはローレの鎖骨にそれこそなんか妖精の羽をイメージような……そんな模様。アレは何? もしかしたら妖精との友好の証とかだろうか? だからローレが呼べば、妖精はやってくる……とあいつは思ってたのかもしれない。


 でも実際は……全くもって誰もやって来ない。あいつの鎖骨が見れて、僕にだけ特があったな。

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