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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2179/2711

2179 前に進むためのXの問い編 553

「私、あんたの為には一ミリとも協力なんてしたくないって思ってるわ」


 大事なことなので、どうやらペルチェルラさんは二回行ったらしい。


「私――」


 ガタ――と三度目のその言葉を口にしようとしたペルチェルラさんを無視して、突如ローレの奴が立ち上がった。そして何やら指を振るったら、出されてたティーセットが消え去った。まるで魔法のように。いや、インベントリにしまっただけなんだろうけどね。


 でもまさか……


(あんな無意味なジェスチャーコードを登録してるやつがいるとは)


 実際様々とジェスチャーコードは登録できるけど、あんまりいっぱい登録してると、色々と弊害が起きたりするものだ。LROはとても高性能だが、でも空中に描く動作だけで命令をしてるわけだからね。


 はっきりいって確実さを帰すためにもジェスチャーコードはわかりやすく、簡単なのが良いというふうに言われてる。それこそ数字を描く……とかアルファベットのいち文字を描くとかね。何の意味もないクルクルと渦を巻く動作とか四角を描くとかもあるけど、下手に何度も指を動かす……というのは推奨されてない。


 まあ別にシステムが推奨してないわけじゃなく、きっと検証班が頑張ってくれたんだろう。それでなるべくこういう動作が良いですよって感じのをサイトで載せてくれてたりする。勿論その動作をしたって、どういう命令を実行させるかはそれぞれプレイヤーによって違う。だからその動作で何かを悟られる……って事はない。


 そのサイトでは大体十種類くらいの実用的な使い方……って奴があった気がする。十種類もあれば、戦闘で使うときの基本的な役立つアイテム……は揃うと思う。いちいち戦闘中にインベントリからアイテムを選んで……ってしてらんないから、そういうときにジェスチャーコードはとても重宝する。なにせ一回指を動かせば手の中に出てくるわけだからね。


 でも実際、何が必要か? って考えたらそれってプレイヤーの数だけ考えはあるわけで……ジェスチャーコードだって普通は大体カツカツだったりするらしい。


 それをこんな……こんな無駄なことに一枠つかってるって……


(いや待てよ……今しまったよな? なら出すときの動作もあるのでは?)


 僕はとんでもないことに気づいてしまった。しまう動作を登録してるって事は出す動作も登録してる可能性は高い。つまりはそれだけで二枠である……とんでもねえ。


「ちょっと、人の話はちゃんと聞きなさいと教わりませんでしたか?」


「私、無駄な話は聞くなって教わりましたので」


「無駄って……良いのかしら? スオウさんの話では、私が必要らしいですけど? それにその『ゲート』を求めてるのは貴方なのよね?」


 なんかバチバチとしてる? してない? いや、してるよね絶対。


「スオウ、本当にこれが必要なの?」


「ペルチェルラさんが必要なのは本当だ」


「ふふん。って今、これって言いました!?」


 怒ってるペルチェルラさんはとことん無視する構えのローレ。


「こいつの何が必要なの?」


「特別さ? 今は滞ってるみたいだけど、どうやらペルチェルラさんがより特別になればゲートの認証に使えるみたいな感じだ」


「じゃあ今のままじゃダメなのよね?」


「まあ、そうだな」


 僕の言葉を聞いて、ローレはちょっと考えた後に帰ろうとする。


「おい!」


「ちょっと!!」


 僕とペルチェルラさんが背中に声をかける。ちなみにメリッサはただ付き従うだけらしい。背中を向けたローレはちょっとだけ振り返ってこういった。


「特別な妖精ならいいんでしょ? 別を見繕うわよ」

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