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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2174/2701

2174 前に進むためのXの問い編 548

ポヨン


 なんかそんな音がして、僕が見てたウインドウに新たなコードが追加された。


「え?」


 そんな風に思わず声を出してしまう。それに反応して『どうしましたか?』とペルチェルラさんがよってきた。彼女には見えないが……これは……僕は新たに現れたコードを見て、ちょっと試したいことができた。


「ペルチェルラさんのおかげで、糸口が見えたかもしれません」


 僕はそう言って今度は視線をローレへと向けた。この森の中で、何やら椅子やらテーブルやらまで出して、そのテーブルにはまるで西洋の貴族が使ってたみたいなティーセットが並んでる。そして優雅にお茶をしてるローレ。美味そうなケーキをこれ見よがしに食べてる。


「おい、暇ならちょっと僕に回復魔法でもかけろ」


「姫に何を要求してるんですか? 図々しいですよ」


「まあまあ、私をこれだけまたせた挙げ句に回復……ね。なにか必要なんでしょう? 私の魔法を無駄にしたらただじゃおかないから」


 そんな事をいってローレの奴は指をパチンと鳴らした。すると僕に何やらバフがかかった。おいおい……コイツあほか? 別に回復じゃなくてバフをかけられたことに対して「アホ」と言ったわけじゃない。こいつ、今全く詠唱しなかったぞ。このLROではどれだけ詠唱が重視されてるのか……その厳しさは有名であり早々簡単に回避できることじゃないのは周知の事実だ。


 だからこそ腕がいいと言われるプレイヤーは詠唱を短縮したり、なんとか詠唱に猶予をもたせたり、そんな手段をとって、長い詠唱をせずに強力な魔法を使えるように工夫とかしてるわけだ。でも無詠唱って……そんなのはシルクちゃんが以前使ってたストック魔法でも無い限り、まだ実現してないはずだ。


 ピナがいなくなって、そのストック魔法のかわりにシルクちゃんはかなり詠唱を短縮できるようになってるみたいだけど、それでも無詠唱ってわけにはいってないって言ってた。それをコイツは実現してる? いや、それこそコイツには沢山の召喚獣がいる。そこら辺にからくりがあるのかもしれない。


 まあ気になるが、今はそんな事はいいだろう。それよりも……だ。今のバフを僕にかけたことで、新たなコードが追加されてる。追加というか、多分これは……


(識別番号……か?)


 何やら長い意味不明な数字と文字の羅列だ。多分分解していけば、きっとNPCとプレイヤーを識別できるようにはなってると思う。ここは……


「おいメリッサ。なにか僕に影響を与えるような事をしてくれ」


「私は姫以外の言葉では動きません」


「メリッサ」


「はい」


 こいつ……ローレの「メリッサ」だけで動くんだ。ローレの背後に控えてたメリッサは僕のところまでやってくる。


「ところで、なんで後ろに控えてたんだ?」


 僕はこのタイミングで気になったことを聞いた。だって出されてるテーブルは小さいとはいえ、二人くらいなら使えるはずである。一緒に待っとくのなら、もう一脚を出して、一緒にお茶でもしてれば……とかおもうじゃん。それをせずに、メリッサはローレの背後に佇んでた。するとメリッサは「はあ」と大きなため息を吐いた。まるで「この愚図は何を言ってるんだ?」とかいいたそうな「はあ」だった。


「主と一緒にお茶をするメイドはいません」


「あっはい」


「とりあえず私は相手を惑わすスキルしか無いので耐えなさい」


 そう言って、なんかメリッサは僕の懐に飛び込んできた。そして僕の顔をみてくる。思わずドキッとしてそんなメリッサと視線をぶつける。上目遣いに見える目。


 その瞳がなんか怪しげに揺らいでる様に見える。するとなんかクラっとしてきた。そこで足を踏まれた。


「いた!?」


「耐えろって言ったでしょ」


 そういいつつ、メリッサはもう用は済んだかのように去っていく。あれか? 今一瞬、幻惑か幻覚のスキルを使われたのか? だから僕がかかり切る前にあいつ自身が止めた。


 とりあえずそんな風に解釈してウインドウを見ると、新たなコードがあった。

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