2169 前に進むためのXの問い編 543
「とりあえず今はそれでいいよ。そもそもここに来た目的は違うしな」
「そうそう、そんなちっさいのの言うことなんて信じなくて正解だよスオウ」
「ちょっと!?」
わざわざ煽るなよ。こっちは穏便にしたいのに。
「とりあえず何したか知らないが、一回謝っておけよなお前は」
「むむ」
実際ペルチェルラさんがローレに良からぬ印象を持ってるのは確かだし、それについてはコイツも否定はしてない。つまりは過去にローレがペルチェルラさんをはめて妖精の森から追い出したのは本当なんだろう。なら謝っておいたほうがいいよね。
それは納得できるだろう。
「姫に頭を下げさせるなんてそんな……」
「でも悪かったくらいは思ってるだろ?」
なんかメリッサがローレをかばおうとそんなコトを言うけど、僕はローレの方を真っ直ぐにみるよ。もしかしたら全く持って悪いなんておもってなかったかもしれないが、でも実際自分の行いで不幸になった人が現れたら……自分の過去の行動を省みたりするものだろう。
前はそれこそ、ただのゲーム感覚で自分の目的のために……って感じだったかもしれない。けど今や色々と心情が変化しててもおかしくない。
「ごめんなさい」
ふいにローレはそういった。その言葉にペルチェルラさんもそしてメリッサも「姫……」といって動揺してる。
「あのときは……あのときは! ごめんなさい」
どうやらローレはあのときのことだけを強調してる。あのときは……あのときはごめんねってことらしい。せこいやつである。
「私はまだ貴方の事を許せそうにありません。それに信じてもいない。けど、けど必要なことでもあるのでしょう。貴方は妖精王となった彼とは繋がりはない。そうですね」
「そうよ」
二人は見つめ合う。そして先に折れたというか、大人的な余裕を見せたのはペルチェルラさんだった。
「わかりました。私は私が信じた人達を信じます」
そういってここを使わせてくれる許可をくれた。