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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2167 前に進むためのXの問い編 541

「ローレ、お前……」


 流石に今のペルチェルラさんの言葉はスルーなんてできない。ちゃんとした説明を要求する。だって妖精王はそれこそこの自体を引き起こした張本人である。なんか月のトップにはセツリが君臨してる――みたいに思われてるわけだが、でもセツリと交流がある僕たちは妖精王が本当の黒幕である――ということはわかってるからね。


 むしろセツリは巻き込まれた挙げく、上手く担ぎ上げられただけの存在だ。それによって、今やLROでは指名手配されてるような状況だからね。むしろ同情案件だ。


 なにせ今の情勢的には普通に国を行き来することもできないし、全ての国から指名手配されてるから、勿論だけど都市や街や村を使うことだってできない。


 それははっきり言って不便でしか無い。なにせゲートなんて普通は都市や街にしか設置してないからね。ゲートを使えば簡単に世界中を行き来できるわけだか、それが今やセツリはできない。だからこそもう割り切って月側で楽しもう――としてるんだよね。


 でももしもペルチェルラさんが言うように、ローレが黒幕である妖精王と繋がってるとしたら……そもそも今のセツリの役目をこいつがしてればよかったわけで……巻き込まれただけのセツリが不憫としか思えないっていうね。


「私は妖精王なんて人は知りません」


「嘘つきなさい!」


「本当ですよ」


 なんかあまりにも堂々と、しかも自信満々にローレがいうから僕もどっちを信じて良いのか……なんかわかんなくなる。え? もしかしたら本当に知らないのか? とか思えるくらいには自信満々なんだ。


 だってもしも……だよ。もしもローレが嘘をついてるとしたら、こんなに堂々と出来るだろうか? 普通は「嘘をつく」という行為には罪悪感って奴が生まれる。それによってちょっとキョドったり、しどろもどろになったりさ……するものだろう。けどこいつにはそんなの一切ない。


「私はあの妖精王って奴は知りませんけど、彼とよく似た人とはしりあいね」


「それが今の妖精王よ!!」


「ふーん、それって証明できるの?」


「は?」


「だから私の知ってる彼と、あの妖精王が同一人物かって事。私は確かにあの妖精王によく似た妖精を知ってるけど、その時は妖精王とか名乗ってなかったし」


「それは貴方が私を女王の座からおろして彼を妖精王にしたからです」


「そんな事言われても、私はその場にいなかったし。そんな曖昧な情報で敵と繋がってるとか言われても。名誉毀損ですよ」


「このガキ……」


 ペルチェルラさんが、絶対にいいそうにない言葉を口からはなってしまってる。それだけ怒ってるってことなんだろうけど、ローレのやつは至極冷静にいってる。どうやら今は、あの妖精王とかとの繋がりを認める気はないってことなのかもしれない。


 僕だってこいつにどうやって口を割らせるかなんてわかんない。なにせ口喧嘩で勝てるとは思えないからだ。本当にこいつが妖精王と通じてるのなら問題何だけど……スルーなんてできないが……


「おいローレ。これだけは聞かせろよ。お前は今は妖精王と繋がってるのか?」


 僕はそれだけを確かめることにした。確かにこいつはペルチェルラさんが言うようにかつての妖精王とは関わりがあるのかもしれない。けど今の行動には関与してない可能性もある。


 勿論嘘を言う可能性だってあるが……僕はまっすぐにローレを見つめるよ。

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