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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2161 前に進むためのXの問い編 535

こいつら……システムの穴見つけるの上手いな。とか思った。だって痛みってLROでは制限がついてる。それこそ激痛ってやつは感じない。チクッとした痛みくらいだ。それでも大きな攻撃を受けたときに一瞬それがくると「いた!?」って言っちゃうくらいには反応するんだけどね。


 でもそれもやっぱり一瞬だからね。継続的に痛みを与える……なんてことはできない。だってそんな事ができたら、本当にLROの中で死んでしまう……なんてことになりかねないからだ。そんなことになったら大問題だ。そもそもがLROから戻れなくなった時点で大問題だったんだ。それが死人まででたら……フルダイブゲームはこれから発展することなく、終わってしまうだろう。


 だからこそ、痛みには慎重にならざる得ない。けど苦しさってリアルさを追求してるからちゃんと苦しいんだよね。痛みよりもそれが続くとよっぽどつらいだろう。


 夢とかでも水中に溺れる夢とか見るじゃん。その時って本当に苦しい。肉体が呼吸をしてないってことはないはずなのに、そのときは本当に「死ぬ」と思えるほどだ。


 だからこそ、呼吸ができない苦しさはかなりくるはず。


「どう? そろそろやる気になった?」


「…………」


「まだ足りないらしいわね」


「わ……わがった」


 まだやられそうと思ったのだろう。とても怯えた声でそいつはいった。


「最初からそういえばいいのよ」


「けど、今はどこのゲートも監視が厳しいぞ。そんな怪しいのもってゲートなんかくぐれないだろ?」


 なんとか彼が協力するように言質はとったわけだけど、状況的にズタ袋をゲートまで持っていくのは無理臭い。だって今はとても警戒されてる。怪しくないもの……怪しいものでも普通はインベントリに収納してるものだ。


 それがわざわざズタ袋を持ってて、更にそれがモゴモゴ動いてる……これで怪しくないなんて言えないだろう。むしろ誰もが「「怪しい」」と思うと思う。


 言い訳もできないしね。中身見せろ――なんて言われたらどうすんだよ。


「私に文句を言うやつがいると?」


「いや、テア・レス・テレスならいうだろ」


「ふむ……そうだ」


 そう言ってローレのやつが僕にトテテと近づいてくる。そしてくっつきそうな距離で止まると、つま先立ちして顔を近づけてくる。ちょっとだけドキッとしてしまう。だっていきなり女子が近づいたらそうなるじゃん。


 けどそれと同時に、なんか絶対に面倒な事をやらされるんだろなって思いもあった。


「あれの実験をしましょう」


 そんな声が僕の耳をくすぐった。

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