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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2160/2701

2160 前に進むためのXの問い編 534

(このままコイツラと一緒にいたら、僕も悪の一味と思われるんじゃ?)


 そんな思いが湧いてくる。だって……


「やめてくれ……やめてくだざぁい!」


「おいおい、姫の御膳だ。土下座もできないの?」


「頭が高い、空気を吸うな。吐き気がする」


 もう捕まえてたきた人ないてるよ。いやここまでされるのなら、この人ログアウトすればいいじゃんって思う。いや、できないんだけどね。主に僕のせいで。


 悪人……であるはずの彼はさっきから指を必死に動かしてる。けどその思考は手に取るようにわかる。


(なんで!? なんでなんだよ!? なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで――なんでウインドウが開かないんだ!!)


 ――である。何をしてるのか……それは僕が祝福で彼のウインドウを出さないようにしてるからだ。いや出さないようにしてるってのは違う。本当は出てる。でも彼には見えてない。


 (案外使えるな)


 僕は新しい祝福の使い方を実感してた。僕がやってるのはただウインドウの透過度を100%にしてるだけである。ただのインターフェイスの変更だ。だから僕にも簡単にできた。


 これがもしもウインドウを出すの阻害するとかになると、その命令を何処かで遮断する……とかいう行為が必要だ。更にはそういうのはシステム側にも気づかれないようにしないと、僕の妨害自体に対策される可能性があるし、こっちがなにかデメリットを受ける可能性だってある。でもこれは……ね。この透過率だけを変更するのはそんな難しくない。そもそもが実はウインドウは出てるからね。ささっとやるだけである。


 実際ちゃんと許可をくれないと他人のウインドウはいじれない。そうじゃないともしも、ウインドウをだしたまま縛られたり、それこそ拘束できるスキルを使われたりしたら、インベントリ内のアイテムも全部取られちゃうからね。それにウインドウには個人情報だってあるわけだし……下手に操作なんてされたら大変だ。


 だから勝手にいじれたりしないわけだけど、そこらへんは祝福でちょっとね……なりすましとか、そんなことはしてない。それはそれで厄介だからね。ただインターフェイス関連はそこまでセキュリティ的につよくないから、ただ祝福で無理矢理いじった。


 ウインドウを出せなくするとか、勝手にアイテムを引き出すなんてのはとてもむずかしいが、これならスパッとできそう。もしも戦闘中にできたら……


(いやでも戦闘中ってだいたいジェスチャーコードを使うか)


 もんしかしたらあんまり意味ないかも。でもどこかで不意に役に立ちそうって感じる技術だ。


「貴様たちだろう? 月人の侵入にかこつけて他所様のエリアを荒らしてるのは」


「な、なんのこと――あががががががががが――ががかが」


 なんということだろうか。こいつら……残酷すぎる。何をやってるのかというと、跪かせた彼の顔を無理矢理上に向けて、口を無理矢理メリッサが開ける。そこにローレのやつが水を流し込んでた。確かにこれって暴力ではないから、システム的にも違反にならないだろう。けど……


(拷問じゃん)


 もう捕まった彼が哀れでならない。

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