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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2158 前に進む為のxの問い編 532

ゲートの傍、助けを求めてた人にテア・レス・テレスのメンバーが対応したのを見届けたその舌打ちした人は、明らかに人気が少ないところへと向かってる。そんな人を僕たちは追ってる。


 実際そんな怪しい格好とかしてるわけじゃない。注目しなかったら、ただの一プレイヤーなのは何も変わらないと思う。なにせちょっと武器を掲げてたり、顔を半分隠すような防具をつけてたり……別にそんなのはここLROでは『普通』である。皆そんなもんだ。だから特別、あの人が怪しいかといわれると……そこまででもない。


 けど僕たちは出くわした。彼が「ちっ」といったところにね。普通は困ってる人が助かるとなったら「よかった」と安堵するものではないだろうか?


 実際、自分が助けるって人は少ないだろう。だって助けるって行為はある意味で自分を犠牲にもすることだ。自分の時間もそうだし、それに絶対に何かできるか? 本当にその人の問題を解決することができるのか? そんなことを普通は思う。そして二の足を踏む。けどそれは冷たいとか……そんなことじゃない。あたりまえに思うことだ。


 でもやっぱり困ってる人がいるのなら気になるのも普通だと思う。自分が何か出来る訳じゃなくても、その人に誰かが手を差し伸べたら「よかった」って思うじゃん。実際、周囲の空気は大体そんな感じだった思う。テア・レス・テレスのメンバーが彼女に駆け寄っていって「ほっ」としてた。


 そんな中、「ちっ」なんて反応をするのはどういうことなのか? それを考えると、今問題になってる月人対策にかこつけて他人のエリアを滅茶苦茶にしようとしてる奴らの仲間? と推測が立つ。そもそもがエリアはめっちゃプライベートな空間だ。


 他人が勝手に入る……なんてのはほぼ不可能。


(まあなんか月人はそれができるようだけど……)


 だからこそ、今を狙ってる奴らがいる。


「どんどんと人気のないところへといってますね。それに……どこかに連絡を取ってる」


 そうメリッサがいう。確かにあいつは歩きながら頻繁に指を空中で動かしてる。あれはきっとウインドウを操作してるからだろう。僕たちは別に隠密的な行動をとってるわけでも、そんなスキルを発動してるわけでもない。


 まあ僕の場合そんなのないし……いや祝福を利用してコードをいじることで、できなくもない。多分だけど会長とかなら、コードをいじることでスキルを再現する……とかできると思う。けど僕はそこまで器用ではない。


 だからローレとかメリッサがそういうスキルを持ってるのなら……とか思ってたんだけど、二人ともそんなの使うそぶりもないし、なんか普通に追いかけてるから「まあいいか」とか思ってた。


 でもこれって……


(やっぱりバレてないわけないよな)


「なんなんじゃお前ら!!」


 僕たちはレスティアの人気のない一角でガラの悪そうなやつらに囲まれてた。

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