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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2155/2757

2155 前に進む為のxの問い編 529

「これを見なさい」

 僕はなんかレスティアへと呼び出されてた。目の前にはローレの奴と後ろに控えるメリッサ。一体なんで呼び出されたのか謎だが、レスティアの中でも、路地裏の誰も来なさそうなところに二人はいて、その目の前には頭陀袋がある。そして明らかにその頭陀袋……人間サイズで、そしてもこもこと動いてる。

(絶対に何か中にいる……)

 それもあまりしりたくないような何か……僕は今、とんでもない犯罪の片棒を担がされようとしてるのではないだろうか? いや、そもそもよく考えたら、こいつらとは犯罪で繋がってるような気がしなくもない。なにせまだ一応、ゲートを複製しようとは試みてるからね。それはシステム的には許されてない。

 けど抜け道がありそうだから、それを目指してる。そしてそれが僕がローレのチームを抜ける条件なのだ。なのでどうにかしてゲートを複製できるようになって、ローレのエリアへと色々なものを送れるようになるのが目標。

 それがある意味での大罪。ならこれくらいなら、軽い犯罪? まあ犯罪に大きいも小さいもない――とは聞く。けど実際の所、大小はあるよね? だって万引きと強盗が同クラスの犯罪か? と言われたら違うじゃん。

 もちろん、万引きだって許されることではない。店にとってはどっちも困る。やられた側はどっちだとしてもたまったものではないのだ。けどそうはいっても……だ。そうはいっても、やっぱり大きな犯罪と小さな犯罪の違いは心情的にはあるよねって話。

 実際袋に人間大の何かを詰めて動かす――となったらそれが小さい犯罪か? と言われたら誘拐だから小さくはないね。

「これは?」

「見る?」

 なんかめっちゃあくどい顔でにやりとしてくるローレ。そんなの言われたら、はっきり言って巻き込まれたくないから、見たくない。そんなことを思ってると、袋の口からズボッと腕が出て来た。そう灰色の……病的に細い腕。なんか最近見たなこれ、と思った。

「月人?」

「正解。ふふふ、ねえなんで黙ってたの?」

「何が?」

 なんか責められてるような言い方をされてるが、僕には何のことかわかんない。するとローレが衝撃の事実を言ってきた。

「こいつ、ゲートをくぐれるらしいわよ」

「は?」

 なにそれ? マジか? そういってローレは袋を足蹴にした。それに伴って「げっ」とか変な声が聞こえた。こいつに捕まって、この月人も哀れだな。

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