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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2153 前に進む為のxの問い編 527

「何回か、妖精王と話してるんだろ?」


「そうだけど……あいつ……」


 そういってギリッと爪を噛む摂理。すでに診察……というか定期健診は終えてる。なのであとは帰るだけだ。摂理はなにせ今までこの年齢までずっと眠ってたのだ。まだ起きて一年も経ってない。なのでこうやって定期的に病院で体の状態を見るのは仕方ない。


 本人はとても面倒に感じてるようだけど、周りにいる僕たちの方が心配してる感じはある。確かに摂理はまだ歩けない以外は至って健康ではある。


 歩けない脚だって、少しずつ動くようになってるし、筋力が追いつけばきっと歩けるようになるだろう。そうなったら煩わしい車いすからも解放されるから、そうなったらもっと摂理は自由になる。そうなるときっともっと摂理は一人で進んでいくんだろうなって思う。その時に、もう一度僕たちの関係は変わるような……そんな気がする。


「聞いてる?」


「うん? ああ」


 摂理が僕を振り返ってる。ふわふわの髪に、大きな瞳。芸能人にも負けないその顔面偏差値で見上げられるとちょっとドキッとする。ふと思う。


(本当にこいつ、顔良いな)


 ――てね。実際、こうやって病院を移動してるだけで、摂理は注目が集まってる。それに今日はとても夏らしい涼やかな服装してるからね。水色のワンピースに薄手のシャツ? というか、肩掛け? みたいなのを合わせてる。肩とか首元とか、見えてるけど、透けてる感じになってるのが、ある意味で上品というか……知らない人なら車いすに乗ってる深層の令嬢的に見えると思う。


「実際、妖精王の奴、私にはなにも言わないのよ。ただ『月の力を使いたいだろう』って」


 なんか摂理はその妖精王のマネなのか、低い声を出して難しい顔をしてた。それでもかわいいんだから顔がよすぎるって得だよね。


「でも、月の力は使いたいんだろ?」


「……まあね。だって、これを使えたらスオウに追いつけるよ! 凄いんだから」


「僕事態はそこまで凄くないと思うけど……そんな強力なスキルって祝福とかくらいだし」


「そんなことないよ」


 属性の武装とかそれらを使う力は弱くはないが、あれが特別に特別な力かって言われると、多分そうでもないと思う。ただ祝福だけは……ね。でもあれも会長の奴の方が全然上手く使ってるから、僕においつくよりも会長を目指した方がいいと思う。


 まあもちろん、あいつを目指すのは間違いなんだけどね。


「今は私が諸悪の根源……みたいになってるから、エリアと月の城以外いけないから困るよ」


「でもダンジョンには行ってるんだろ?」


「うん、なんか月の石が必要らしいからね」


 何やら摂理は妖精王にお使いクエストを依頼されてるらしい。

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