2151 前に進む為のxの問い編 525
「ゲゲゲゲゲゲゲゲゲ」
そんな声を出した月人は生えてきた腕をさすってる。そしてグッパと何回か握って離して……そうやって感触を確かめてるみたいだった。そうしてるとなんかいきなり――
「ガバアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
――と叫んで月人は生えてきた腕を引きちぎった。そしてそれをこっちに投げてくる。
「うお――づあ!?」
いつもならそんなのに当たるなんてことはない。けど月人の行動があまりにも読めなさ過ぎて反応が遅れた。けどなんとか僕はフラングランで投げつけられた腕を受けた。けどその瞬間、なんと腕が爆発した。おいおいだ。もう何もいえないよ。
僕はその衝撃を受けて吹き飛ぶ。
「くっそ」
吹き飛ぶ僕に追い打ちをかけるためか、月人が「ぎゃぎゃ」とけたたましい声をあげながら走り出した。そしてさらに腕をはやす。けどそれをすぐにもぎ取った。そしてまた投げてくる。
「二度も――」
食らうかよ!! 僕は風を操って態勢を立て直す。そして爆発する前に奴が投げた腕を取ってそのまま投げ返す。月人の前で爆発した腕、黒煙が奴を包んだ。けど僕の目には見えてる。かなりダメージを食らってるが、まだ月人は生きてる。僕はとどめとばかりに、月人の首をフラングランでたたき切った。奴の首が空に舞う……そしてドサットット――と転がる。
「ぎゃ!? ぎゃぎゃ!!」
首だけになっても、なんか月人はうるさかった。ちなみにフラングランは無事だ。壊れたりなんかしてない。上手く奴のスキルというか、バフは消せたようだ。
「月の加護を超えて切った?」
そんな風にペルチェルラさんがつぶやいてた。確かに月の加護は厄介だ。けど、この程度は、僕のように祝福を持ってなくてもある程度の実力があるプレイヤーなら倒せると思う。攻略法はいろいろとあるしね。それに大体のプレイヤーはたくさんの手札を持ってるだろう。
僕の手札が少ないのは、僕のせいだ。僕はそんなにたくさんのスキルを持ってないが普通はそれこそ沢山のスキルを取得してその中から自分に合ったスキルを使っていくようになる。
その膨大をスキルを駆使すれば、どうにかできるとは思う。まあ厄介なことに変わりはないだろうけどね。実際今回は一体だったからどうにでもなった。けどこれが複数体とかくると……結構怖い。
だから僕はペルチェルラさんの方を見ていった。
「月の事、いろいろと教えてくれますよね?」