2142 前に進む為のxの問い編 516
「月の城の扉はまだ開いていない」
「それって……きゃ!?」
変なことをいった妖精王。そしてなんか私のお姫様抱っこを解いた。私は落ちる。けど無様に落ちる訳にはいかない。なにせ今は月のワルツをやってる最中なんだ。どんな時だってダンスにしないといけない。とりあえず私は体を縮めてクルクルと縦回転する。そして絶妙なタイミングで私は体を広げて着地した。長く大きなドレスが私が体を広げたことによってとても広い範囲に広がった。あくまでも優雅に、私は足から着地する。
結構危ないところまで見えてたから、さりげなく見えないようにスカートを抑える。こういうのって、なんか見えたらだめじゃない? 優雅とエロをはき違えたらいけない。なんとなくだけど、月のワルツは優雅を求めてはいるが、エロは認めてないような……そんな気がしたのだ。
「これって……」
私は扉を見る。白く透明な扉……それが月の城への道を閉ざしてる。てかこんなのがあるって……ここは妖精王の専用の戦闘エリア……ボスエリアではないのだろうか? そういうボスエリアって外のLROとは関係なかったりさ、するものだ。なにせボスエリアってのは完全に専用の空間だからだ。いうなれば 私たちが固有に持ってるエリアに近い。
私たちのエリアだってLRO事態には関係ないからね。でも……だ。そう思ってたわけだけど、この月の城はただ妖精王のエリアにしかないって考えるのはなんかおかしい。だって……完全に独立したエリア……自分自身の専用のエリアなのだとしたら、これって……
(自作自演)
――になるじゃん。けど妖精王の反応的にそんなわけはなさそうというか……自分自身のエリアだけの事なら、そこの主である妖精王がこの城に入れない……なんてことは絶対にないのだ。
カツン
そんな音を出して私の背後に妖精王が降り立つ。それとと共に、世界がかわる。ここまで登ってきた階段は消えて、私たちとこの月の城が残る。そして周囲は水面が広がってる。
そこに二つの柱がある。柱というか、クリスタルだ。そこにはなんとメカブちゃんとレシアが入ってる。二人はとらわれてしまったらしい。今の私一人で正攻法でやって妖精王に勝てるか? と言われたら難しい。
「さあ、月の開放を」
そういって妖精王が私を背後から包むように抱きしめてくる。そんな関係では全くないが……嫌悪感を抱かないのはきっと妖精王がとんでもないイケメンだから。これぞイケメン無罪ってやつだね。




