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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2134 前に進むためのXの問い編 508

伸ばした手。それはなんだか伸びるような感覚があった。実際私の腕がのびるわけはない。いや、もしかしたらそういうスキルだってあるかもしれない。けど私が知る限り、月のスキルに刀身を伸ばしたりする効果は見たこと無い。だから私の腕は伸びてないだろう。ただそんな風に感じただけ。でも……妖精王も「うお!?」ってなってたから、もしかしたら妖精王も同じ様に感じたのかもしれない。


(捕まえた!)


 私は結構感動してた。だっていままで、私の攻撃を異様に警戒してた妖精王である。なかなか当たらなかった。むしろ全然だ。それが今、私の腕が届いてる。多分剣を手放したことで虚をつけたってのもあると思う。けどそれでも、いつもならきっと上手く避けてたんだろう。


(なんか頭に自然と月の一節が浮かぶような……)


 私は不思議と妖精王へとこういった。


「踊りましょう」


 そして私は足払いして、妖精王の態勢を崩す。そしてまるで踊るように……というかコマの様に妖精王をくるくる回す。そうやってると、頭にやっぱり月の一節が浮かぶ。


「第一節 『始まりの憧れ』」


 私も妖精王とともに回って、寄り添うと、顎に一発、腹に一発、さらに急所に一発叩き込む。別に私の意志ではない。なんか体が勝手に動いた。これがこのスキルの基本の動き……なんだろう。まあ武器を持ってるときはこんなんじゃなかったんだけど……


(まさか、これが本来の月の一節って事?)


 初めての発見だった。だって武器スキルだよ? 普通は武器をもってやるじゃん。だから素手の時に月のスキルを発動したことなんてなかった。でも別に武器を持ってることが間違い……なんてことはないだろう。


 ただこういう使い方もできるってことだと思う。でもはっきりいって、これで倒せるかといえば、そうじゃない。この程度じゃ余程素の力が強くないと、まともなダメージになんてならない。実際、ちょっとしか減ってないし。


(でもまって、これって私が初めてこいつにダメージを通せたってことじゃん!!)


 それに内心歓喜しつつ、まだスキルは終わってない。今のは一節だ。第二節に入る。第二節はもっと激しめになる。私の月のスキルがもしかしたら妖精王にも影響を与えてるのか、男性の急所を膝で打ち上げたはずなのに、彼は居たがる素振りはない。けど流石になんか前かがみにはなってるからそれを私はくるっと、彼を起点にして背中側にまわった。妖精王の体をつかって、横から回るんじゃなく、縦に回転して、優雅に背後に回る。そして彼の膝をカックンして、私の顔と妖精王の顔が同じ高さになった。向かい合ってはない。なにせ私は背中に回ったからね。そっと、けど素早く私はその頭を腕で下と上から包み込む。


 そしてそのまま耳元に向かっていった。


「最後まで、付き合ってもらうから」

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