2132 前に進むためのXの問い編 506
レシアが消えたと思ったら、炎がいくつか空宙に出てきた。そしてなんとその炎から自身の体を出して攻撃。反撃されそうになると、その炎へと引っ込んで攻撃を交わすという、なんとも反則チックな行動をやりだした。最初はそれこそ全身出したりしてたが、どんどん洗練されてきたのか、上半身だけ出すとか、腕だけ出すとか、足だけ出すとか……そんな事をレシアはやりだした。
そんな事をされると、めっちゃうざいだろうことは言われなくてもわかる。だってやられた側からしたら、反撃の手段がないし……どこから来るのか……どんな風にやってくるのか……分かりづらい。
それに……だ。最初はそれこそ一つの炎から出る……みたいなことしかしてなかったレシアだけど、その内、左腕と右腕を別々の炎から出すとか、腕と足を別々に出すとか、尻尾で首絞めながら、腕を出して腹パンをやりまくる……とかそんな事をやってきた。
「面倒だな」
けど妖精王が言ったのはそれだけだった。それだけで、なんと攻略をした。妖精王はその髪の毛を七色に輝かせ出す。そしてその髪の毛を使って同時に展開してるレシアの炎へと差し込んだ。するとダメージを受けてレシアが炎の状態から肉体を取り戻して出てきた。
それになんか、妖精王の髪を受けた部分が変な感じに色が変わってる。毒?
「大丈夫?」
「平気……けど、乱された。ちょっとの間、炎になれないかも」
どうやらレシアの変色した部分は別に毒ではないらしい。けど、その能力を制限するような効果がある……みたいな? それはそれで結構強力とも取れるし、そうでもないような? なにせ妖精王のやってきた攻撃だと思うなら、結構控えめなような感じもする。
「その適応力、厄介だな」
「うぎっ!? この!!」
「レシア!」
なんと妖精王の攻撃を受けて変色してた部分から、なんか花が咲いてきた。そしてどんどんと増える花がレシアの体を拘束していく。いつもなら炎を出せば一瞬でこんな花燃やせそうだが……どうやら今のレシアは炎を出すことができないみたいだ。それによって、花がどんどんレシアを覆っていく。
そして最後には全身を花がレシアを覆ってしまった。
「レシア! レシア!!」
「案ずるな。やつの生命力なら、そうそう死にはしないだろう」
そうそうってことは絶対ではない。私は妖精王を睨む。そして剣を向けてこういった。
「レシアを開放してもらいます!」
「できるものならやってみろ」