2129 前に進む為のxの問い編 503
「30点だ」
「はい?」
いきなりなんかそんなことを言い出した妖精王。何の点数なのか全く持ってわからない。すると向こうが教えてくれた。
「貴様の月はその輝きしかない」
「はあ……」
どうやら今の30点ってのは私の月のスキルに点数を付けた結果らしい。でも30点って……落第かギリギリかじゃん。私の期末のテストよりもやばいよ。
(うっ……頭が……)
あの地獄を考えたら体が拒絶反応を……人生で一番勉強したからね。日鞠ちゃんがいなかったらきっと私は『生徒会長なのに補修』というとてもとても不名誉な結果を残していただろう。前代未聞かもしれなかった。だってだいたい生徒会長って成績優秀な人がなるじゃん。マンガとかでもそうだったし、そこはリアルでもそうなんだよね。そもそもあんまり頭よくない人は、立候補なんてしないよね。
でも私は……うん……ね。そもそも編入試験もやばかった。全く持ってわかんなかった。一応編入試験から日鞠ちゃんには手伝ってもらってたけど。それでも私は落第だったのだ。だって私はずっと病院で眠ってたのだ。それなのにいきなり高校レベルの勉強レベルを求められてもね。一応落第だったけど私は今の高校に入れた。それはやっぱり日鞠ちゃんのおかげだ。彼女が学校に掛け合ってくれたから、得点が足りなくてもこれからの頑張りを期待されてなんとか入れたのだ。
なのでテストで落第点なんて取った日にはすぐに退学に繋がったりしてもおかしくない。だから手を抜くなんてできない。なんだけど……私は勉強ってことが嫌いである。もちろんだけど毎日の予習復習を私がやってるわけはない。
なにせゲームをやるのが大切だ。LROもそうだし、他のゲームだってやって私はいつだっていそがしいからね。まあそんな言い訳がテストで通用するわけもないから、日鞠ちゃんに泣きついたわけだが。実際は鈴鹿ちゃんとか生徒会の面々、クラスメイト達……に頼ったりもした。けど私は気づいてしまった。
(日鞠ちゃんが教えてくれた方がいいな)
ってね。なにせだ。私レベルの頭の悪さになると、はっきり言ってみんなが持ってる前提が通用しない。それに……だ。聞いた話によると私の学校は日鞠ちゃんが生徒会長になってから一段階? いや、三段階位はレベルというか、偏差値というものか上がってるらしい。それだけレベルがあがった皆さんが、低の低にいる私に勉学を教えるというのは大変みたいだ。なにせ――
「???」
――というのが何回もある。私はかわいいから「勉強を教えて」といって断る人はいない。けど私の馬鹿さ加減にいやになる人が出てきておかしくない。それに……
(あまりにも周囲に馬鹿だと思われるのも……ね)
そうなのだ。でもそれは私のプライドだけの問題ではない。生徒会長が馬鹿って広まるのは学校的にも印象が悪い。だって生徒会長って学校の顔だからだ。まあ顔だけは私はいいんだけどね。