2128 前に進む為のxの問い編 502
私たちは交錯した。確かに手ごたえを私は感じてた。実際、レシアも妖精王も直前にはなんかその妖精王の輝く髪の毛によって、繭のようになってしまってたからレシアのいる場所と妖精王の部分を見分ける――なんてことは不可能だったわけだけど、まあフレンドリーファイアはないから私は思いっきりスキルを放った。
交錯した私はすぐに背後を振り返る。なにせこれまでどんな攻撃でもHPを削ることがかなわなかったわけだ。そんな妖精王へと攻撃が通ったのか……それはとても重要な事だろう。
「うきゃ!?」
そんなかわいい声を出して、髪の毛の中からレシアが排出された。そしてその長く長くなった髪の毛がおぞましい感じで倒れた妖精から上の方に上ってる。
「まだきれいだからいいけど、あの色が暗い色なら完全にホラーだよ」
私はそうつぶやくよ。
「いたた」
「レシア、大丈夫?」
「ん」
それだけ返すとレシアはすぐに動き出した。うねうねと動いてる長い妖精王の髪をその手に納まるくらいつかむと強引に振り回し始めた。それによって妖精王が大回転する。
「そうれ!」
そしてビターン!! と床に妖精王をたたきつける。それも一回じゃない。何回も何回もそれを繰り返すレシア。流石に猟奇的な光景にちょっと引いちゃうよ。
「レシア……そのくらいで……」
「セツリ……も攻撃」
どうやら私も加われという事らしい。確かにレシアの攻撃ではいくらやってもダメージは通ってなかった。だから私が月のスキルを使って攻撃が通るか確かめたわけだ。けど……あの髪の毛が邪魔で妖精王の頭上が見えないんだよね。だから一回ストップしてほしいくらいだけど……レシアは攻撃を辞める気がないみたい。
なら付き合うしかないか。こうなったらそれこそ妖精王のHPが尽きるまで、攻撃の手を緩めない。その覚悟が必要なのかも。そんなことを思ってると、「痛い」とかこれまた痛くなさそうにレシアが言って妖精王の髪の毛を離した。
「ドラゴン娘はともかくとして、どうやらお前たちは月の本質を知らないようだ」
そういって涼やかな顔で顔にかかってた髪をかき上げる動作をする妖精王。その立ち姿……そして動作が様になりすぎてて魅了でも発動してるのか? ってくらいだったよ。