表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2126/2701

2126 前に進む為のxの問い編 500

「こっち」


 そういってレシアが炎を吐く。とても気の抜けた「こっち」だったのに、やっぱりだけどその炎はえげつない。けど、妖精王は動じない。私はレシアがばらまいた炎に紛れて妖精王の虚をつく。月の光をまとわせて、私は妖精王の手前五メートルくらいで加速する。背中側から胸……つまりは心臓を狙い打ったんだけど、妖精王は後ろに目があるのかといいたいほどに完璧なタイミングでかわした。


「づあ!?」


 私は代わりにレイピアで三回くらい突かれて吹っ飛んだ。実際リアルならそんな突かれたら、もう痛くて痛くて立つなんてできないだろう。血だってめっちゃ出るだろうしね。けどここはLRO。ダメージになるけど、痛みは実際の何十分の一だ。突かれた部分はジンジンする程度。私はジェスチャーコードを使ってインベントリから回復薬を取り出して一気に二本を飲み干した。


 けどその隙にいつの間にか妖精王が距離を詰めてた。まるで瞬きしたら瞬間移動してきた――みたいな感じだ。回避できないと頭で思う。


 そして妖精王のレイピアの切っ先がなんかゆっくりに見えた。でもその時、横からレシアが突っ込んできた。そしてそのまま、レシアは羽を使って飛んでいく。二人は足を浮かせたままもみくちゃになりながら、戦ってる。レシアと妖精王の腕が交差したり、頭使って鼻先を打ち付けたり、肘をつかったり……


「セツリをいじめるのは許さない」


「ドラゴンのやんちゃ娘め」


 二人とも別に声を荒げたりはしてない。けど、イラっとしてる感じは伝わってくる。レシアの攻撃は妖精王には効いてなかったが、影響は受けてた。それこそ蹴ったら吹っ飛んでたし……だから炎とかの超常的な攻撃を行うよりも自身の体を使った方が確実だという判断なんだと思う。


 実際あの時、炎を吐いててもきっと妖精王は止まらなかっただろう。だからレシアの行いは正解だった。けどあれからどうするつもり? 結局のところ、拳とかでもレシアの攻撃は妖精王には効いてない。


 そう思ってると、レシアが妖精王と共に、上に飛んでいく。その時、私に視線を送ってきた。


(そういう事か)


 レシアはそれなりの高さに行くと、今度はくるっとターンして勢いをつけて戻ってくる。確かにあれなら、確実に当てられる! 私はレシアがやってくるのを待つだけでいい。妖精王のことはレシアががっちりとつかんでる。逃げるなんてできない。


 私は剣に月のスキルを宿す。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ