表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2125/2701

2125 前に進む為のxの問い編 499

(いや……でも……)


 確かに妖精王は私の攻撃だけをよけてるように見えるが……でもちょっと信じられない。自分で思うのも情けないが、私の攻撃ってそんなに強力じゃない。確かに月のスキルは格好いいし、綺麗だが、超強力ってものがないからね。でも使用するスキルって強いかどうかだけじゃないじゃないじゃん。


 これは私が気に入ってるから使ってるんだ。そこに誇りはある。でも絶対的に私の攻撃よりもレシアの攻撃の方が強い。強い……というか強力なのは確かだ。あの見た目や性格からは想像するのは難しいが、今のレシアの攻撃は本当に直接的に強い。暴力的といっていい。まあけど……


(いくらレシアの攻撃を食らっても妖精王にはダメージは入ってないんだけど……)


 それもおかしいけどね。もしかしたら私たちが本物だと思ってるあの妖精王も実は分身とか? その可能性、無きにしも非ずのような? 質量をもった分身とか作れる人もいるかもだしね。それに妖精王なんて肩書を持ってる存在なら、そういうことだって出来そう。


「レシア、あれって本物だとおもう? ダメージになってないようだけど」


 私は動きの途中でそうつぶやいた。すぐに離れたからその答えはもう一度交差する時にきいた。


「本物……だと思う。けど――」


 もうちょっとテキパキと話してほしい。レシアは相変わらずゆっくりと話す。なので何回かの交錯でようやく最後まで「けど――」の後を聞けた。


「なんか相性が悪い気がする」


「どういう事?」


「もしかしたら……特定の属性でじゃないとダメ……とか?」


 なるほど……と思った。そしてもしもそれが月のスキルだとするなら……確かに妖精王が私の方を警戒するのだってわかる。実際は本当にピンポイントに月のスキルだけか? といわれると疑問が残る。本当にそんな条件の敵なんて、ちょっと意地悪すぎる。それに月のスキルはそこそこ特殊な方法で取得するし……そこそこ特殊だから面倒だけど、だからって私が自覚してるように圧倒的な強みがあるわけじゃないから、LROでも持ってる人はそんなに多くはないだろう。


 それなのにこの妖精王を倒すには月のスキルが必要ってなったらその時点で詰む人たち続出である。


(いや、そもそも妖精王とバトル展開になるのには月のスキルが必要とか?)


 うーん考えてみたらどうだろうか? だってこの展開のきっかけは妖精たちのいたずらである。それからレシアを仲間に引き入れて、レシアのせいで妖精たちとの仲が決定的に悪くなった。


 つまりはレシアがいなかったら、そうそう妖精たちと敵対なんて普通のプレイヤーならしないだろう。最初から悪意とか妖精たちを捕まえて売り払うとか思ってる奴がいないわけでもないかもしれないが、一度警戒されてしまうと、きっと二度と妖精たちはそのプレイヤーの目の前には現れなくなるだろう。


 そうなると、そもそもが妖精王が出る幕でもないっていうね。そいつらが腹いせに森を燃やす? いや、そもそもがこの森を燃やせたのもレシアがいたからだ。普通はクリスタルの森は燃やせない。


 だから妖精王とのバトル展開に行くこと自体がそもそもがとてもレア……


「ねらってみて」


 レシアがそう言ってくる。きっとレシアも私の攻撃を妖精王が警戒してるって気づいてたんだろう。今までは当たらないでもいいか……と思ってやってたけど、今度は私は積極的にあてに行く。その気概で攻撃をしかけるよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ