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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2122 前に進む為のxの問い編 496

直接的な攻撃……それこそパーティならパーティメンバーの直接的な攻撃は受け付けない。所謂フレンドリーファイアってやつはない。だからこそ、レシアだってこれだけの範囲攻撃を仲間である私やメカブちゃんに関係なく放てるんだ。


 もしもフレンドリーファイアがあったら、それそこ混戦の中では強い魔法とか使い勝手悪すぎるからね。このLROは気持ちいい戦闘とかを目指してる感じはある。ある程度のシステムの補助のおかげで、リアルでは運動音痴であっても、LROでならまるでオリンピック選手……いやそれ以上の動きをできたりする。まあそれこそ最初はリアルよりも体が軽い……てだけの感じではあるが、前衛のスキルなんかを取って使ったら、まずは勝手に体が動き出すことに困惑とかする。やっぱり最初は無理やり体が動くことには違和感が半端ないからね。


 


「おっとっと」


 ――ってなる。けどなれたらただ何もしなくてもいいから楽である。でもそれも罠だからね。同じ動きを絶対にするってなると、強いNPCには防がれたりするし、強いプレイヤーは動きが分かってるから、スキルの途中で攻撃を差し込んだりしてきたりする。


 そんなことできるのはさすがに少数だろうけどね。スキルはオートからセミオートにして、そして完全なマニュアルを目指して自分の技として消化していくってのがLROの作用だ。


 それをやっていく中で、体の動かし方ってやつもわかっていくからね。オートでおかしな動きをしてたら、こんな動きもできるんだってなって、オートだとしても感覚はある。


 それを何十回、何百回としてると、体は自然とその動きに慣れていくものみたい。私だってリアルではそれこそ側転一つできないが、LROでなら、バク転とか壁走りとかできる。


 まあつまりはそういうこと。私はレシアの炎で視界を阻まれながられも、走ってる。なにせ別にダメージは私にはない。かなりの広範囲に広がってるはずのレシアの炎。でもこのステージもどこまでも広そうで、そうでもなさそうな、そんな不思議空間だ。実際、ここは妖精王の専用ステージのようなもの。


 ボス部屋というのはいうなれば固有結界であり、自身の絶対領域といっていい。プレイヤーからしたら罠に飛び込むようなもの。それでもプレイヤーが挑むのは、そこにたしかに価値があるから。まあ今回私たちはほぼ巻き込まれたというか……いろんな行き違いというか、むしろ妖精に嵌められた……と言った方がいいと思うんだけど、身内をかばっちゃうのはしょうがない。なにせあの妖精たちである。


 どう考えても口も回るだろう。今のところ、あんまり妖精王って人は、そんなにそこらの小さい妖精ほどにぺらぺらとしゃべる感じではないようだけど、だからこそ静かに怒ってるのかもしれない。


 私たちへの攻撃結構容赦ないしね。なのでここで正しい選択はきっと一つ。戦って、自分たちの実力を示すこと……とかじゃないだろうか? だって私たちが――


「あなたの部下の妖精に嵌められたんです!」


 ――って言ったって、言葉だけじゃ証明なんてできないしね。そんなことを言ったら、余計に怒らせてしまうかもしれない。ここはLROで妖精王という程の存在としたら、きっとブチ切れたら圧倒的な力で蹂躙されそうだしね。


 今はまだ、私たちを見定めてる可能性はある。なら私たちは精いっぱい戦って、その力を示してみせよう。この妖精王が認めるほどにね。せめてこいつらちょっと厄介だな……くらいは思わせたい。


(あれは……)


 炎の中に不自然に氷が張ってる場所がある。私はそこに向けてかけていく。

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