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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2118 前に進む為のXの問い編 492

「くっ!? やああああああああああああああ!!」


 私は剣を鞘にしまって、ジェスチャーコードをつかって両手に小さな盾を装備した。ちゃと全身を覆うくらいにでかい一枚盾を呼び出す用のジェスチャーコードも有るけど、今回は丸い子盾を両手に持った。まあ持ったというよりも、腕につけてるわけだけどね。だから一応これでも武器を握ることはできる。可動範囲がちょっと制限されるだけでね。なのでちょっとだけデザインが違う丸い小盾の裏にはナイフが仕込まれてる。このナイフも最初はそれこそなんの変哲もないナイフがセットとしてついてたわけだけど、そこはカスタマイズ無限大のLROである。


 もちろんだけど、このナイフもちょっといいのに変わってる。切れ味プラス補正に耐久性プラス補正がついてる。まあ全然強いわけじゃないけどね。でもしょうがないね。なにせこの状態はなんとか時間を稼ぐ装備である。攻撃はある意味捨ててる。それでも敵的には完全に攻撃がこない――と思われると、それこそ攻勢が強まってしまう。


 なにせLROの人工知能はとても賢い。それこそ皆にちゃんと『心』がある。それはNPCもそうだけど、モンスターだってそうなのだ。もちろんその知能にはレベルというか? 生物によって違いは有る。ただの動物型のモンスターよりも人形のモンスターのほうがやっぱりだけど賢いからね。


 そして今相手にしてるのは妖精王である。人形で、そして『王』とかつく奴が馬鹿なわけはない。こっちが完全に防御に徹したら、きっと攻撃を強めてくる。まあそのためにも攻撃をレシアに任せるわけだけどね。


「メカブちゃん! 今のうちに回復を!」


「う、うん。いや、ご苦労!」


 そんなのいいからさっさとインベントリから回復薬を取り出して飲みなさい!! 私はなんとか小盾で妖精王の光線を反らすことに神経を注いでる。なにせこの小さな盾では真正面から攻撃を受け止めるってのにはもとから向いてないのだ。正面から受け止めて確実に反撃する……となると、やっぱりタンクが持つような大盾が必要だ。でもそれを持つと、やっぱりだけど素早く動くなんてできない。大盾を持つということは、どっしりと構えて正面から攻撃を受け止めて、攻撃を確実に当てていくって戦闘スタイルになるからね。


 私はどっちかと言うと、足を使って行くスタイルだ。だからなるべくその場に釘付けになる……って言うスタイルは取りづらい。それでもそういうスタイルも用意してるのは、やっぱり柔軟性が大切だからだ。


(まあ、なんでも自分の長所だけで突破できないからってだけ……だけど)


 もしも私が、私の長所に絶対の自信があるのなら、自分のスタイルを突き詰めるだけでいい。でも私にはその自信がない。スオウなんかはいい例で、あそこまで特化しちゃうと、その一本のスタイルでどんな状況でも突破できちゃうんだろう。


 でも私はそうじゃない。そもそも、私はまだ自分のスタイルってやつを完全に確立してるわけでもないからね。だからこそ、沢山のスタイルを用意してる。それでこそ、どんな状況でも対応できるってことになる。まあ世間一般にはこういうのは器用貧乏っていうのかもしれない。


 いや、私の場合は器用ともいえない。そんなコトを思いつつ、なんとか妖精王の攻撃をそらしてるが、流石は妖精王なのだろう。私の盾がぶっ壊れた。

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