2117 前に進む為のXの問い編 491
ボス『妖精王』はその名の通り、妖精の大きい番みたいだ。実際、この場所にいざなわれる前にみたあの人……なのは間違いないね。私とレシアが一緒にボッコボコにしたあの人だ。
普通の妖精はそれこそ身長30センチ位の小ささだけど、妖精王はさっきクリスタルの森で見たときよりもだいぶ大きい。だいぶ? というかめっちゃ大きいって言うのが正しい。だって今の妖精王は上半身しか見えないくらいにはでかい。そしてその上半身だけで、数十メートルはある。これでは妖精というよりは巨人である。それになんか目とか光ってるし……さらにもっと背中の羽が光ってる。
「皆! 散回!!」
私はそう言って、走り出した。でも、なんか反応してるの私だけなんだけど!? そんなふうに思ってる間に、妖精王の攻撃が炸裂する。いやいや、なんで? メカブちゃんはまだしも、レシアは反応できたでしょう!?
妖精王の攻撃は、周囲に光を沢山収束させて、一定の時間が経ったら、なんか勝手にビームを放つ……とかいう物だった。巨大な妖精王の周囲になんか光が集っていってたから、あれがどういうふうに襲いかかってくるのか、予想はできたと思う。なのに……
「なんで二人共避けないのよ!?」
私は襲いかかる光線を避けつつそんな事を叫ぶ。なんか不思議な事に、この光線。着弾したり、そもそもが放たれた瞬間に花びらが舞ってる。とてもお洒落な演出をしてる。単純にキレイだ。でもきっと威力はえげつないと思う。なにせ妖精王の攻撃である。
「この程度……問題ない」
「レシア!」
どうやらレシアは光線が当たる直前に、自身の体にドラゴンのオーラを纏わせてたらしい。それによって、妖精王の光線を防ぎきってた。
「ちょっと……どうにかしなさいよ」
「メカ――ブちゃん、大丈夫?」
「大丈夫じゃない」
ああもう! レシアは確かに心配なんていらなかった。けど、メカブちゃんはまともに攻撃を食らって、なんか普通に夏の道路でへばりついてるカエル……みたいに成ってた。
「ああ! もう!!」
変なポーズ取ってるから体がうまく動かないんだよ! そもそもメカブちゃんはそのおっぱいで動きづらいんだからさ! 動き出しがどうしてもその巨乳に邪魔されちゃうんだよね。
第一波の光線の波は収まってる。けど、それによってメカブちゃんはすでに瀕死、更に妖精王の周囲には第二波の光線が準備されてる。このままでは早速メカブちゃんがやられてしまう。なので、私はメカブちゃんを守るべくそっちにむかった。本当ならレシアが近い。そのままレシアに守ってもらったほうがいいのかもしれない。
けどさ、単純に考えたら私よりもレシアの一撃のほうが重いはずだ。なので私達はアイコンタクトで役割を分担した。妖精王への攻撃はレシアで、メカブちゃんの子守は私ってね。