2111 前に進むためのXの問い編 485
「あーあ」
思わずそんな言葉が出る。出てしまう。だって……ね。クリスタルの森が火の海になってる。なんか青い炎で燃え盛ってるよ。でもただの山火事には見えない。なぜなら、もともとこの森が特殊だからだろう。そもそもがこの森のすべてはクリスタルでできてた。だから普通、燃える訳ない。
でも燃えてる。レシアの青い炎でだ。燃えないはずのクリスタルが燃えてる。実際ああいう鉱石って燃えるっけ? て感じだ。だって普通は燃えるというか、溶けるよね? いや、いいけどね。いやよくないけど……
「どうすんのこれ?」
「いいんじゃない? だって私に嫌がらせしたからね。自業自得でしょ。私に手を出したこと、これで後悔したでしょうね! あーはっはっはっは!!」
そういって高笑いをしてるメカブちゃん。自分がやったことでもないのに、こんなにまるで自分がやったように誇れるってすごいよね。他人の手柄は自分の物なのだろうか? するとなんか私たちの体がブルっと震えた。
「寒い?」
そんなつぶやきをしたら、それを肯定するように、なんかキラキラとした雪の結晶が降ってきた。ここで大切なのは雪ではない。雪の結晶ということだ。リアルでは肉眼で結晶は見えないだろう。けどLROの雪は見えるらしい。いやこれは魔法だから……だけどね。自然発生してる雪ではもちろんLROでも雪の結晶は肉眼では見えない。
つまりこれは……
するとこのクリスタルの森全体を降ってきた氷の結晶が覆いつくして、巨大な氷になった。それによって森は強制的に沈下させられた。なかなかすごい魔法だ。これはなに? 妖精たちがやったのだろうか?
「くる」
レシアがそんな風につぶやいたと思ったら、一気に体を動かしだす。私とメカブちゃんは慌てて腕に力を籠めなおす――とかしたはずだが、なんとメカブちゃんが落ちていく。
「きゃああああああああああああああああああああああああああ!?」
とかいって彼女は凍った森へと真っ逆さまである。あのままではかなりのダメージを受けるのは必至だろう。
「レシア!」
「――必要?」
私が何を言いたいのか、レシアはきっとわかってる。けどそれでも、あんまり乗り気ではないらしい。まあ実際、レシアにとってはメカブちゃんはただの私の友達以上でも以下でもない。それになかなかウザい性格をしてるからね。
あんまり喋らないレシアだけど、色々とされてたの実はウザいと思ってたのかもしれない。けどこのまま見捨てるわけにはいかない。なので私は「お願い」してレシアに追いかけてもらった。