2110 前に進む為のxの問い編 484
「ちょっとレシア、ストップ!!」
私の言葉でレシアが空中で停止する。そこはちょうど森の端っこの方だった。さっきまでもうすぐでこの森を超えるって感じだった。つまりは森の切れ目……そこに達してたけど――次の瞬間反対側の森の入り口にいるっていうね。そんなことが起きてる。
「やっぱりこれ……」
「もっと上から……それこそ宇宙とかからこう弧を描くようにやったらいけるんじゃない? ゲームだし、ちょっとの宇宙空間くらい大丈夫でしょ。ほら、リアルにも宇宙体験とか生身でやってるじゃん」
「これ以上、高くいくのは無理」
メカブちゃんのあほな話にレシアは無気力にそう返す。なんかふらふらしだしてるね。まだまだその翼をうまく使えてないレシアだ。きっと疲れたんだろう。それになんかめっちゃ速かったしね。もしかしたらだけど、なんかやけに早く動いてると思ってたけど、あれってただ加減できなかっただけなんじゃ? 私もメカブちゃんも腰に捕まってるのが大変だった。
「どうやら私たちはただではこの森から帰れないみたいだね」
「面倒ね。じゃあどうするのよ」
メカブちゃんが文句たらたらとそういうよ。一緒に考えようという気はないのかな? 私たちは同じパーティーなんだから一緒に解決策を模索していくべきではないだろうか?
「妖精を見つけて、この状態をどうにかしてもらう?」
考えられる事と言ったらそのくらいではないだろうか? でも妖精は隠れるのがうまい。それにクリスタルの森は妖精のホームだ。あそこは様々な魔法が多分あって、そしてそれらは全て妖精の味方と思っておかしくない。そして私たちはおそらくだけど、妖精たちから近寄ってくることはもうないと思った方がいい。そうなると、私たちはこの広いLROの世界でもうこの森の中しか行動できない? いやいやいやい、そんなのはいやすぎる。
「見つけるって言ったって……あいつら隠れるのうまいわよ?」
「だから困ってるじゃん」
「なんとかしてよ。さすがにここから帰れないとかないから」
「私だってどうにかしたいよ。メカブちゃんも一緒に考えてよ!」
私たちはレシアの体に抱き着きながら、そんな言い合いをしてた。するとなんかおもむろにレシアが火を噴いた。その口から。この森はクリスタルの森だ。普通の木じゃない。だからそう簡単に燃えるなんてことは……とか思ってたけど、レシアの炎はどうやらちゃんとこの森を燃やしてるらしい。
「――って、何やってるのよレシア!!」
よく考えたらとんでもないことをやってるじゃん。
「いいぞもっとやれ!」
そこ煽るな!!




