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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2108/2701

2107 前に進むためのXの問い編 481

「もういっそ、ここでログアウトしたら?」


「それやったら、レシアがこの森で一人になっちゃうじゃない。せめて森から出ないと」


 そうなのだ。私たちは最終手段的にはログアウトを選択できる。けどレシアにはそんな選択肢はないのだ。だからレシアの為にもこの森から出る必要がある。私は必死にどうしたらこの森から出られるか考える。そんなとき、なんか「グオー」という声が聞こえた。


 結構遠くからだから、別に驚くようなことじゃない。LROではモンスターの声なんかはよく聞こえるからね。私はそんな声につられて空を見る。木々が邪魔で広く空は見えない。けど青い空が広がってる。まだまだ日は高い。夏休みだし、時間はたっぷりとある。


 生徒会長として、やることはたくさんあるんだけどね。でもそれでもゲームをやる時間は普通の日なんかよりもたくさん取れるのは間違いない。それに私はだいたい最初と最後に出張るだけである。


 私はこの顔の良さを使って最初に好印象を与える。そして最後に可愛らしくお礼を言う。それでいいのだ。中の部分は生徒会の優秀な面々がまとめてくれるからね。なので私は他の生徒会の役員たちよりもむしろ時間はある。


 流石にずっと夏休み中ゲーム三昧とはいかないが、私はまだまだ夏休みを楽しめる方だ。今日も明日も予定はない。なので余裕だけど、この夏休み期間中に目標がある身としてはここで足踏みしてる暇はない。


「ねえ、レシアって飛べる?」


 レシアはそこらの種族とは違う。多分だけど、ドラゴンの血を引いてるドラゴン少女という設定のはずだ。その証拠に角とかあるし、尻尾もある。そしてドラゴンといえば翼。もちろんレシアにもある。小さいけどね。実際おんぶしてもらってるときにはその背中の翼が邪魔だったしね。小さいと言えど、背中に翼があるとそれはそれは邪魔だった。なにせ胸が翼によって押さえつけられるからね。


 私はまだいいけど、メカブちゃんは爆乳だ。絶対に苦しいと思うが……


「私の……翼……」


 そう言ってレシアは自分の翼をパタパタと動かす。背中見せてそうやるレシアは正直可愛い。小さな翼をパタパタとする女子。新たにパタ萌という造語が生まれそうな感じがした。


「それ、大きくできたり……」


 戦闘中には確か大きくなってたような気がする。もしも大きくできるなら、飛んだりできるよね? 実際ドラゴンはあの翼では飛んでないらしいが……だってどう考えても体の大きさに対して翼は小さいからね。科学的に見たらあの大きさの羽根ではドラゴンの体を浮かすほどの浮力を生み出すのは難しいらしい。


 なので魔法で飛んでるとか? まあLROならそこらへんは設定でどうにでもなると思うけど。


「なるほど、飛んでここから脱出するってわけね」


「そうそう」


 それができたら一番カンタンだ。なにせ森の中じゃなく、森の直上から一気に範囲外に出るのだ。これなら行けそうな気がしない? 私はとてもいいアイデアだと思う。

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