2106 前に進むためのXの問い編 480
「いたっ! イタタタ! ちょっと何するのよセツリ!」
私は取り合えず、なんとかレシアにおんぶしてって頼み込んでるメカブちゃんをレシアから引きはがすために、その耳を引っ張った。私はねまじめな話てるんだよ!
「そんな必死になる必要なんてないじゃん」
「それは……そうかもだけど……」
私とメカブちゃんの必死さの違い。それはきっと知ってるか知ってないかだと思う。私はLROをただのゲームだなんて思ってない。けど、メカブちゃんはLROをただの凄いゲームだと思ってる。それは別にメカブちゃんが楽天的なわけじゃない。
それが普通なんだろう。結構大きな事件がこの中では起こったわけだけど、それに巻き込まれた人はじっさいの所はそこまで多くはない。300万人居たうちのそれこそ一万人以下なら全体で見れば一%以下なわけだ。でも人数で見れば一万人が巻き込まれた事件って超大規模な事件である。
けど実際はあの時に帰ってこれなく成ってて人達は正確な数は知らないが、多分だけど、数百人程度だったはずだ。その中にメカブちゃんは入ってなかったわけで、そういう人達はLROが危険だ――となって回収騒ぎになっても渋ってた。そういう人達は沢山いたし、反対運動だって起こってた。そういう人達にとってはただのゲーム……いやとても大切な場所だったんだろう。
自分のお兄ちゃんが作ったゲームの世界をそこまで愛してくれるのは妹冥利に尽きるのは確かだ。けどここには確実にはなにかまだわかってない何かがあるのは確かだと思う。何かがあるというか? ネットの海で最先端なこの場所で何かが発生した? のかもしれない。そしてそれはまだ人類には早いものなのかもしれない可能性はある。
なにせ私はずっとこの世界の中で眠ってたのだ。いうなれば誰よりもこの世界の怖さを知ってるよ。だって寝て起きたらたった一人の家族も居なくなって、私は一人天涯孤独の身になってたんだから。
でももしかしたら私のような人が少なくとも数百人単位で出る可能性はあった。そしてその可能性はまだ完全になくなったわけじゃない。運営はもう大丈夫……安全対策をしました!! と言ってるが……それをどこまで信じていいのかはよくわかんない。でも国も安全性を認めたから、再び再販ができるようになったわけだと思う。まあでもそれも、いったいいくらお金積んだのかな? って感じでは有る。世の中、綺麗事だけで回ってるわけじゃないってのはわかってるからね。
もしかしたらこのフルダイブ技術なのか、それとももっと別の技術なのかはわかんないが、国も惜しいと思ったのかもしれない。それで多少の犠牲はしょうがないから、それでも発展を促すために、LROは許された……という見方もできる。じっさい、そんな事声高に叫んでる政治家の人はいる。主に野党の人達だけど。
「メカブちゃんはLROに危険なんてないって思ってるかもだけど、何が起こるかなんてわかんないんだよ」
「その時はログアウトすればいいだけじゃない」
「ログアウトがなくなるかもしれないよ」
「流石に妖精なんかにそんなことはできないでしょ」
ちょっとビビりながらも、メカブちゃんはそう言って強がるよ。