2103 前に進む為のXの問い編 477
「卑怯でしょ」
「目は覚めた?」
「まあ……はい」
私たちの勝負は決着した。どう見ても決めてはレシアの回復阻害の炎だった。いや厳密にはあれは回復を阻害してるわけじゃない。私の時は確か、インベントリを開けなくなったはずだ。
けどどうやらあの炎は色々なバフ的な効果も打ち消す効果があるらしい。打ち消すというか? 追加できなくなるというのが正しいだろう。そこらへんレシアに聞いても「色々できなくするやつ」とかしか言わないからね。まあいいよ。
なにせ調子に乗りまくってたメカブちゃんをボッコボコにできて少しはスッキリしたしね。妖精はというと、さっさとどっかに行った。メカブちゃんが使えないとみるや否や−−
「お前たちなんて森で一生迷ってろ!!」「「「そーだそーだ!!」」」
と言って弾けるように消えていった。なんとか一匹くらい捕まえて拷問……というか尋問とかしたかったが、この森で妖精を捕まえるのはやっぱりだけど至難の業みたい。なにせここは妖精のホームだ。色々な私たちプレイヤーが把握してないギミックやら、それに妖精の特殊能力やらがあって、それらを使われると、わたしたちではどうしようもなかった。
「とりあえず森から出よっか。そこそこ疲れたしさ。妖精の収穫はなかったけど……大きなものは得たしね」
「私的には何もえられてないんだけど?」
この子は全く……私とレシアの感動の再会を喜ぶということはしないのか? メカブちゃんらしいけどさ。確かにメカブちゃんははっきり言ってほぼレシアと面識なんてないだろうから、今の状態的に「この子誰?」だろう。
てかメカブちゃんから見たら「こいつのせいで私の無敵時間が……」とか逆に思っててもおかしくない。なにせそれがメカブちゃんという女である。私も大概だけど……周囲にいい顔して、美女としてチヤホヤされるのニヤニヤしてるタイプだよ。私は自分のこと、それなりに性格悪いと思ってる。
けどクズかと言われるとそんなことはないと思ってる。それもこれも本当のクズであるメカブちゃんがいてくれるからである。本当に私たちの周りにスオウから日鞠ちゃんやら、聖人君子が多すぎるんだよ。
あの二人は誰かを救ってないと気が済まないのかと思う。そこはやっぱり幼馴染なんだろう。
そんな二人の圧倒的な光属性に当てられすぎると、私なんて……って思っちゃうからね。そんな中、二人と友達でい続けてるのに、クズなままのメカブちゃんは本当に安心する。なんか二人の影響もあんまり受けないしね。
メカブちゃんってクズだけど、自身の中の芯は真っ直ぐにあるんだよね。まあそんな彼女も今は……
「調子乗って寸ませんでした!!」
−−と言って腕を真っ直ぐに伸ばして、顔面を地面につけて焼き土下座してるけどね。こうはなりたくないとも思わせてくれる本当にいい見本だよね。