2096 前に進む為のXの問い編 470
「無理矢理……なんて最低」
「無理矢理じゃない。私のお・ね・が・い」
「余計タチ悪い」
そう言ってレシアとメカブちゃんの戦いが始まってしまった。なんかメカブちゃんのそばにはこの森にそこらじゅうにあるクリスタルが形を菱形にしたものが浮いてる。それを飛ばしてきてる。
それをレシアは腕ではじき、脚で弾き、尻尾で弾き……としてる。てもメカブちゃんの手数が減ることはない。むしろどんどんと増えていく。だってここはクリスタルの森である。武器になるクリスタルはいくらでもある。別にメカブちゃんはそこらの岩やら地面、木をぶっ叩いて壊して補充してる……ってわけじゃない。
そういうことではないのだ。なんか勝手にどっかから補充されてる。きっと……
(妖精の仕業……だよね)
妖精は何匹もいた。きっとこの見えてる光だけじゃなく、見えてない光の妖精たちがせっせと森からクリスタルを補充してるんじゃないだろうか?
(けど、流石に面倒そうなことはしそうにないように思うけど)
まだあまり接してないが、妖精のことはなんとなくわかってる。妖精はわがままで気まぐれ。楽しいことは好きだけど、大変なこととか積極的にする感じではないと思う。となると、せっせと妖精たちがメカブちゃんのために働くというのは違和感がある。もしかしたら妖精たちにはこの森にあるクリスタルに干渉できる力でもあるのかもしれない。なにせ妖精は大変なことはしないイメージだからね。
「ねえレシア。妖精を攻撃したら、メカブちゃんを元に戻すことはできる?」
「どう……かな? なにせあの子は妖精の力に浸かってる」
「妖精が、こんなに邪悪だったなんて……」
私はそんな声が漏れた。あれだけ愛らしいのに……いや、愛らしい姿で邪悪なのが妖精の在り方なのかも。お兄ちゃん的には。わざわざこんな性格に妖精をするなんて。やっぱりお兄ちゃんはちょっとひねくれてるよね。
「じゃあとりあえず、メカブちゃんを止めよう。やれるレシア?」
「それはこっちのセリフ。足手まといはいらない……よ」
レシアのくせに言うじゃん。もう私はみんなに守られるだけの存在じゃないよ。それをレシアに見せてあげよう。ああ、メカブちゃんと戦うのは実はそんなに気苦労なんてない。
なにせここはLROだ。思いっきり殴ったって別に問題なんてない。