2095 前に進むためのXの問い編 469
「帰る? だって」
だって? メカブちゃんはそんなふうにいった。すると光が……つまりは妖精がメカブちゃんへと近づいてた。そしてなにやらメカブちゃんは「うんうん、だよね」とか言ってる。
「セツリ」
「なに?」
めっちゃいい笑顔でメカブちゃんは私の名前を呼んだ。そんな良い笑顔、見たことないってくらいのレベルのいい笑顔だった。実際、メカブちゃんは自分の笑顔が嫌いだっていってた。どうやら、彼女の考え方的には笑顔には顔のレベルが現れるらしい。つまりは自分の笑顔が嫌いな彼女は自分の顔面をよく思ってないって事だろう。
まあ実際、メカブちゃんはバリバリLROの容姿は違う。同じ部分はおっぱいくらいである。それが悪い訳じゃない。普通の事だし。でもバリバリに容姿を変えてるここでさえ、彼女は自分の笑顔が嫌いらしい。私的にはLROのメカブちゃんの容姿は普通に可愛い。リアルにいたら勿論レベルは高い。上の上くらいである。でも嫌いって……どうしてって言ったら「あんたがいるから」とか意味不明な事を言われたことを思い出した。
そんな記憶がフラッシュバックするほどにいい笑顔。そして次の瞬間、なんか近くで――
バキィィィィン!!
――と耳をつんざくような音と共に、髪の毛がバッサバサとなった。
「へ?」
なんか二人が、厳密に言うとメカブちゃんとレシアがそれを発生させたようだ。私の前に立つレシアは腕を前に掲げてる。そしてその手のひらからはなにやらプスプスと煙が出てる。まるで何か熱いもの受け止めました……というように。
「やるじゃん」
「どういうつもり? 私とはともかく、セツリと貴方は友達……でしょ?」
「そうね。だから連れて行ってあげようって思ってるわけよ!!」
そう言って手を振ると、周囲の光から光の玉が向かってくる。あれってメカブちゃんの合図とともに、妖精が攻撃を仕掛けてるって事? でもそれをレシアは尻尾の一凪で吹き飛ばした。
「無駄」
わーお。私ちょっとレシアにドキドキしてるかもしれない。それと同時にメカブちゃんには失望だよ。たしかにここはゲームだ。別にけがをするわけじゃない。でも普通知り合いに攻撃なんてしないでしょ。でも違和感もある。だって流石にメカブちゃんがどれだけわがままで傍若無人で、グウタラなダメ人間だとしても、手を上げるような子ではない。
孤児院の子供たちがどれだけやんちゃしたって手なんてあげない。
「メカブちゃん、今何したか本当にわかってる?」
「もちろん。だって、妖精の里に行きたいでしょ」
その発言を聞いて確信した。
(ああ、これは妖精のせいだな)