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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2083/2701

2082 前に進むためのXの問い編 456

「マザーはプレイヤーと交流したいとか思わないの?」


『なぜに?』


 なぜ……ときたか。そういう欲求はないのかな? そもそもがAIと人間では考えることとか根本から違う可能性はある。


『私はこの世界の全てを見ることが、聞くことが出来ます。私はこの世界の全てを知ってるのです』


「ぷ、プライバシーは?」


『私が開示することはありません』


「それは知ってるってことじゃん」


 どうやらマザーは何もかも……本当になにもかもを知ってるらしい。そして知りすぎてるからこそ、別に交流なんてのも発想的に出てこないというわけなのかもしれない。


 だってそれだけわかってるってことは、もしかしたらマザーはもう交流を持ってる気になってるのかもしれない。いやAIに対してなにを? と思うかもしれないが、それだけの他者の情報やらプライベートを知ってるってなると、そう思う……というか考えるのかもしれない。


 そもそもがAI的ななにかなマザーは思うなんてことはしなくて、全ては1か0なのかもしれない。沢山の色んな人の色んな情報を知ってくると、もうそれこそ深い関係の様な感覚になっても……おかしくないかも。


 てかこうなると、本当に私では何もマザーに与えるなんて事が……


「か、可能性……可能性はほしいんじゃない?」


 私は思いついた言葉を言ってみた。実際、可能性ってなんのだよってツッコミが来たら、なんと答えたらいいのかも自分でもわかんない。けど……その言葉はちょくちょくと聞く。マザーが言ってたかは分かんないが。


 でも姉妹たちも言ってたような……どうやら可能性という言葉はつくられた存在には魅力的に響くらしい。もしかしたら作られた彼らには最初から見えてるのかもしれない。自分の上限ってやつが。でも私達人間にはそんなのは見えない。


 自分がどこまで上がっていけるのか……それは自分次第。


(実際はそんなの全然自分次第じゃないかもしれないけど……)


 


 なにせこの世の中は世知辛いのだ。みんな同じスタートを切ってない。そもそもが超大金持ちの子供や、世界的スターの子供とかに生まれたら、それこそ上限に届きやすいだろう。むしろあと一歩かもしれない。


 でも生まれてそうそう、親が居なかったら? 貧乏だったら? それで進学とか出来なかったら? 上限なんて届きようがない……というか、人によって届き得る上限が違うのか……そう考えるとやっぱりリアルは世知辛い。


 でも皆見えないからこそ、より良い日々になるように、今日よりも明日を良い日にしたいから可能性を捨てたりしない。その可能性を持てると言うこと自体が、もしかしたら、作られた存在であるマザーや、姉妹たち、それに他のこのLROに類ずる世界の住人達には眩しく映るのかもしれない。


『貴方が私に与えられる可能性とは?』


 どうやらマザーは可能性という言葉に食いついてきた。さて……どうしよう?

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