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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2082/2758

2081 前に進むためのXの問い編 455

「お願いマザー、レシアを開放してあげて」


 きっちりと謝罪をした。でもそれをやったからってことは、ちゃんと私だってそこはわかってる。私はわがままを言ってる。そもそもが姉妹たちがこのLROに受け入れられた事で、満足するものなんだろう。でも……あの場所でずっとボスとしてレシアが君臨し続ける? それは幸せなんだろうか? 実際、あの子なら、あれでも幸せとか感じそう……というか、眠れたらなんだって良さそう……な、気もするが……


「私に出来ることはならなんだってするよ」


 やっぱりずっとあの場所で寝続けるなんて、それを知ってしまったら私はおせっかいだと言われても放っておくなんてできない。だってずっと姉妹たちは私を守ってくれてたのだ。前のLROで暴れたのだって、それは全て……私のため。なら今度は……私があの子達の為に頑張るべき。


 あの子達は別に生きてるわけじゃない? いや、私にとっては彼女たちは生きてる。生きてるんだ。だから本当の自由を与えてあげたい。それが例え、私の傍じゃなくても……そりゃあもちろんだけど、一緒に居られたらそれが一番だけど……それを姉妹たちが望んでるかどうかはわからないから。


 でもそれでも……私はきっと願うだろう。だって、それが私の恩返しだから。「なんだってする」その気持は本物だ。


『貴方に出来る事って、なんですか?』


「それは……」


 無機質な文面が私の心にぐさっときた。そうだよね。私に出来ることなんてまず無いよね。だって私にはなにもない。別にお兄ちゃんに特別な何かをもらってるわけでもないし……そもそも私がこのLROで出来ることなんてマザーは出来ると思う。なにせマザーはこのLROを支えてる総合管理AIみたいなものだ。


 なので出来ないことを探すほうが難しいと思う。そんなマザーに私が出来ること……一体何があるだろうか?


「うーん」


 私は一生懸命考える。ずっと落ちてるわけだけど、なんか底の光は迫ってこない。きっと本当は何時だってもう外にはでれるんじゃないだろうか? けどきっとそれをマザーがシステムに干渉して邪魔してる……という言い方はなんか悪いね。


 きっとこの場所で話せるようにしてくれてるんだろう。私は一体何が出来る? 


「何か、マザーはやりたいこと無い?」


『私には自己の主張なんてありませんよ』


 簡単にそんな文章が返ってきた。けど……なんか後半はちょっと人がタイピングをしてるかのようにノロノロと打ってた。いや打ってるわけないんだけどね。これはなにかある? 


 だってマザーはプレイヤーを見てきたはずだ。ずっとずっと……AIでも人間をずっと見てたら、「なんで?」とか「どうして?」とか思うだろう。自己の主張なんてないとマザーはいうが……ずっと人間を観察してたら、そういう願いとか芽生えたり……そういう創作物ってよくあるよね? 


 だったらって思った。だったら……私が与えられることって……

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