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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2076/2755

2076 前に進む為のXの問い編 449

「夢の終わり」


 そう唱えると、杖の先端に紫色の光が集まっていく。それだけだ。うん?


「くっつけるとか?」


 困惑した私はその集まった光をレシアへと向けた。そしてそのほっぺにくっつくける。埋まる棒。こいつの頬、ムニムニしてやがる。カプついたら美味しそう。でもなんか反応ない。


(ええ? どうするの?)


 これが絶対に必要でしょ? ――と思って私はわざわざ使い慣れてない魔法を使ってここまで頑張ってきたんですけど? もしかして……


「やっぱりレシアを倒すしかここから出る方法はない……って事?」


 でもそれをしたらレシアはどうなるの? レシアも外でまた合流できるならいい。それなら今ならいけるだろう。この至近距離で剣に装備を変えて渾身の一撃を叩き込めば行けると思う。でも……そうじゃなかったら? ここでレシアが死んでしまって、再びあの繭で再生される……とかなったら困る。


 てか本来はきっとそんな感じなんだと思う。ここに来たプレイヤーが倒すべき敵、それが今のレシアの役目。LROでの役割。


「そんなのって……」


 可愛そうだよ。そんな風に思ってると、なんか気づいた。この場所のべつの場所がなんか光ってる。


「あれって……最初に繭があった……」


 今はこの場所全体が氷で覆われてしまってるから、分かりづらい。けど確かそうだ。流石に中心くらいはわかるしね。私は地図とか全く読めない方向音痴女子だが……流石にね。


 この場所の中心、レシアがもともと入ってた繭があった場所……そこになにやら光が見える。それも……この杖と同じ光なんだよね。絶対に何かある。夢の終わりはレシアにやるんじゃなく、この空間に施す物……なのかもしれない。


 ここの中心に近づくにつれて、杖がなんか反応するようにブルブルと振動する。もしかしたらこの夢の終わりとかいう力が自身を使う場所を教えてくれようとしてるのかもしれない。


 そして近づくにつれて、なんか光から先のようなものが螺旋状なって出てきた。まるでつながろうとしてる……かのよう。でも氷のせいで届いてない。私は足をつかってバキバキと氷を砕く。


 とか思ったんだけど、流石に氷が厚すぎる。私の細脚ではこれだけの厚さの氷を踏み砕くなんてできなかった。


「剣に変えないと……でもその場合夢の終わりが……」


 いや、普通に砕いたあとにもう一度夢の終わりを使えばいいか。というわけで剣に持ち替えて……


「いや、装備しなければ、このままでいいか」


 別に持つだけなら、装備しなくても良いんだよね。なのでインベントリから剣を取り出して、それを氷に突き刺した。何回かザクザクとして、ほぐしてから足も使って砕いていく。そして届きそうになったから、私はしゃがんで、杖を光へと合わせるために伸ばすよ。どうやら根本の部分から同じような光が出てるみたいだからね。


「ん……もうちょっと」


 私はヒンヤリとする手とか膝小僧とか気にしないようにしつつ目一杯腕を伸ばして、夢の終わりを発動させる。

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