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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2068/2701

2068 前に進む為のXの問い編 441

「厳しい世界に安寧の場所を――ストーンウォール!!」


 私はこの武器の性能のお陰で短縮詠唱を使って、同じ魔法を続けざまにもう一度発動する。それも今度は目の前に……ではない。今度はレシアの真上から発動させた。だって普通のストーンウォールなら2m位地面から土の壁が出てくるだけだが、この武器の力によって私の魔法はどうやら強化されてる。


 その御蔭で、地面から天井まで問題なく届く高さの壁を生成できる。ならば……だ。別に足元から絶対に出す必要性もないと思った。やっぱりストーンウォールとかいう言葉からも、地面が必要なのか? って気がするから、大体これを使う人は、地面から土壁が現れて自身の盾になってくれる事を考えると思う。


 実際数多の作品ではストーンウォールってそういう感じで描写されてるだろうし、そういうイメージになるのは仕方ない。でも別に他の魔法……それこそ炎を出すやつだって、水を出すやつだって氷を出すやつだって、そこにもとからその物質が必要なのか? と問われたらそうじゃない。


 別に勝手に詠唱したら現れて発動してくれる。それなのになんでストーンウォールは足元から発動しないと行けない……みたいなイメージになってしまうのか……凝り固まった考え方……というのは怖いものだ。


 実際、もしかしたら壁とかそういう物は必要なのかもしれない。なにせストーンウォールは目的的には盾である。空中で発動したら、その場から直ぐに落ちたり……しそうじゃないか? 


 ある意味で私が今作れるだけのストーンウォールなら、それを質量的な攻撃手段……として利用できる気もするけどね。けどここは体内で、天井という物があったから、そこを起点にストーンウォールを生みだした。だから落ちるってことはないだろう。けど地面から天井に届くということは、天井から地面にだって当然届く。なのでレシアの真上に発動させたら、その死角から攻撃できるかなって思った。


「甘い……よ」


 実際、私の考えは間違ってなかったと思う。上手くいけば、レシアのうごきを封じる……くらいは出来たはずだ。でもそれは無理だった。真上から伸びてきたストーンウォールをレシアは回転して蹴り飛ばす事で粉砕した。どうやらブレスよりも直接その体を使ったほうが攻撃力が高いらしい。


「それだけじゃ終わりじゃないから!」


 私は続けざまにストーンウォールを発動させる。なにせ短縮できるのだ。それにLROは詠唱さえ出来たら魔法に代償はない。短縮できれば短縮できるだけ、いくらでも魔法が放てる――という利点がある。


 私はとりあえず、レシアの四方をストーンウォールで覆った。しかもそれをそれぞれ3重のストーンウォールで覆ったよ。これならちょっとは時間を稼げるだろう。


 そしてレシアがストーンウォールから抜け出す前に、とっておきの魔法を準備する。


(大丈夫、今の私は間違うことなんて気にする必要なんてないんだから)


 そう心で呟いて、心を軽くして今までよりも長い詠唱を開始する。

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