2056 前に進む為のXの問い編 429
「私も……よくわかんないよ……」
「ちょっと……」
ある意味でレシアらしいといえばらしいけど……あんまり適当なことは言わないでほしいよね。まあ確かに、この戦いの果にここから脱出するって仕様なら、どっちかが倒れないと脱出できない仕様……なのかもしれない。一応二人力を合わせて外に出る……という方法がないわけでもないと思うが……
「ここってドラゴンの体内でしょう? レシアがどういう存在かよくわかんないけど、二人で体内からは出れるでしょ? それともレシアもドラゴンの細胞とかの一部だったりするの?」
そうなると、外にでれないってのも納得できる。実際レシアはその姿がドラゴンっぽくなってるしね。
「別に、私は独立した一個の個体……レシアという存在だよ」
「それならここから一緒に出れるね」
「でも、このドラゴンは私のお母さん……という設定」
「それは……」
なんとも倒しづらい事を……実際、レシアが言う通りに、ドラゴンとの親子関係って設定だろう。けど設定だと言っても、親子ではあるんだよね。それに設定が何だとか言っても、レシアはネット上……ウェブ上の存在なわけで、設定されたら、それが全てでは? まあなんか愛着なさそうだが……
「レシアは、母親を殺されてもなんとも思わない?」
「殺す……の?」
「そうしないと……出れないかもしれないし……」
いや待てよ。ここから出て、妖精が用意してた転送陣へといければ、別に戦う必要はないのかもしれない。それをドラゴンが許してくれるか……だけど、今の装備を持ってすれば、それはそう難しいことではない気がする。
「大丈夫、この装備ならレシアのお母さん殺さなくても、いけそうだよ」
私はそう言って安心させてあげるよ。
「そうなんだ……けど私はまだ役目を終えてないから……一緒にはいけないかも」
「なにそれ? どういうこと?」
「気づいてるでしょ? 私はここのステージのボスだから……私の縛りを破壊してくれないと、私は一緒に行けないよ」
なんということだろう。レシアはどうやらこのLROというゲームの設定に縛られてるらしい。