2055 前に進む為のXの問い編 428
私が剣から開放した光がまっすぐにすすむ。眼の前が青い光に包まれて何もみえない。それだけ極太の光というわけだ。これならきっと私がここまでふっとばされることにできた穴を覆ってるだろう。
いやそれよりもでかいかもしれない。まさかこれほどとは。ハッキリ言って、剣を握ってるのも大変なくらいだ。こっちも後ろに押されていってる。一体どれくらい、この光に耐えてただろうか? 一分くらいかな? ようやくどんどんと光が細くなって消えていく。無くなったときには、私がふっとばされたときよりも大きい穴になってたよ。
一回息を吐いて私は走った。慎重にとは思ってるが、もう体を動かす度にあってない鎧がガチャガチャいうから、コッソリと……はいかない。でもそれでもいいのだ。そこら辺は諦めてる。それよりもこの装備の性能のほうが重要だからね。
私は穴からでて、周囲をみる。すると地面に倒れてるレシアが見えた。
「かなり効いた?」
実際あんまり実感が無いんだけど……なにせ何も見えなかったからね。手応えもあったかと言われると……うん、わかんなかった。なにせ無我夢中だったからね。でもかなりのダメージをレシアはうけてる。
HPは既に赤に入ってるし、その体からは煙がなんか出てる。じっさいあんな光線みたいな攻撃って超高温っぽいよね。人間がその肉体で受けたら、蒸発したって本当ならおかしくない……みたいな?
マンガとかゲームとかでは肉体が蒸発なんてしないが……かなりの高温をその身にうけてるとなれば、煙が出立ったおかしくない。
「いたい」
「ごめんレシア。止まってくれるなら、これ以上なにもしないよ。もう十分、動いたでしょ? そろそろ眠たくなったんじゃない?」
私はレシアの性格を加味してそんな事を聞いた。なにせレシアは寝ることが大好きなやつだ。こんなに動いたら、前のレシアなら一週間は布団から出てこないと断言できるくらいには動いてた。
だからもう十分ってね。私的にもこれ以上、レシアと戦いたくはない。なにせ今のでこれだけ減るからね。いやレシアじゃなかったら、まじで蒸発してたかもしれない。そう思うとヒヤヒヤだった。いまのを撃つ時は夢中でそこまで考えてなかったけど、今思うとようやく出会えた姉妹とお別れする一歩手前だったよ。
「私……このままじゃ、ここから出れないよ」
「どういう事?」
そもそもがどういう存在なのかから私わかってないからね。そこらへん、レシアの口から語ってくれるのなら聴きたい。