2053 前に進む為のXの問い編 426
「あれ?」
私はレシアの視界を封じる為に爆煙を広げた。実際、シメシメと思ったし、視界はとても悪い。これでアイツの目から私は逃れることが出来る――と思った。でも……これは想定外というか……
「何も見えないんだけど……」
おかしい……どうやってこんな中、自分もレシアの位置をとらえるんだ? そこんところ考えてなかったよ。
(回復を狙うのも良いかも……)
なにせレシアの炎で回復薬を使うことができない今、装備での回復に頼るしか無い。なら、動かないのも手かも。いや流石に同じ場所にいたら、勘で攻撃される可能性は高い。なのでゆっくりと音を出さないように……ガチャ――
「あっ」
私今アベコベな感じでファッション的に考えたら結構駄目な感じの格好になってる。チートなインナーにチートな防具を組み合わせるために、適当に着てるから、ちょっと動くだけでどっかの防具がぶつかったりしちゃう。
その音が響いた。私は周囲の煙に視線を巡らせる。どこからレシアがやってくるか……とドキドキしてしまう。
(レシアだって見えてないし、私の攻撃は警戒してるはず。なら向こうだって、下手に動くなんてことしないよね)
私はホッと胸を撫で下ろす。ちょっとした休憩タイムにしよう。うんうん、お互いにそれが良いだろう。じっさい、そうなったらこの戦闘グダグダになりそうだけど、それでも別にいい。今は夏休みだから時間はあるし、レシアとはゆっくり話し合いたい。戦闘で……なんて事は別にないんだけど、レシアは止まってくれないしね。
「え?」
なんか手を掴まれた。
「捕まえ……た」
そう行ったのは案の定レシアだった。もしかしてその目、煙なんて関係ない? そしてなんか私の事、めっちゃ振り回してきた。