2050 前に進む為のXの問い編 423
結論からいうとか……うん、避けられた。なぜか? よくわかんない。避けられた上で反撃されて今私はレシアに馬乗りにされてる。見えてなかったはずだけど……
「なんで……」
「なんで? わかりやすかった……よ。セツリの事、よくわかってる……から」
それは嬉しい言葉だけど、馬乗り状態で言われても……ね。キュンキュンできないよ。馬乗り状態のレシアは私に向かって拳を振り下ろしてくる。マウントポジションからの拳とか、女の子にやることじゃないよね。
私ボッコボコである。リアルなら顔が晴れて青あざとかになるだろう。LROだからそんなことにはならないが……私はなまじ顔が整ってるからね。ちょっとでも顔のバランスが崩れたら余計に目立ってしまうよ。
でもダメージはそんなでもない。なぜなら私はチート装備に身を包んでるからだ。いくらチート装備といっても、今の私はインベントリを開けないからね。いつまでもダメージを甘んじて受け続けるわけにもいかない。
私は剣を横薙ぎにしてとりあえずレシアをどかした。
(どうしよう……どうやってレシアに攻撃を当てたらいいの?)
チート装備に身を包んでるし、当たれば……当たりさえすれば私の攻撃はかなりの威力でレシアに刺さるはずだ。けどどんな高威力の攻撃も当たらなければ意味がない――を実践してる。
実践したくてしてるわけじゃない。なんかあたらないのだ。こんなに当たらないのはそうだ……思い出した。
(オウラさんと訓練したときみたい……)
あの時はひどかった。私の攻撃はどんな攻撃もあの人には全く当たらなかった。実際装備とかは私のほうがいいのに……だ。それにスキルだってオウラさんは孤児院の方にかまってるから、そんなに冒険とかしてない。スキルだって最低限も持ってないだろう。
装備もそんなに良いのはないから初期値からそんなに増えてるわけもないのに、育ててるはずの私が手も足もでなかった。それは単純に技術と経験の差だった。そう彼女は言ってた。どうやら私はわかりやすいらしい。オウラさんはそれこそ、視線とか呼吸、そして筋肉の動き、体の向き……それらすべてを一瞬で見極めてわずかに体を傾ける……一歩下がる、半歩動く……そんな最小限の動きでこっちの動きを避けてた。
(まさか、レシアが?)
オウラさんと同じ事をしてる。なんて思いたくないが、実際それしか考えられないような。そんな気がするよ。なら私がレシアに攻撃を正攻法で当てることは実質不可能ってことになるだろう。