2045 前に進むためのXの問い編 418
「いよいよ本命の登場だね」
そんな事を私は行ってワクワクしてるよ。きっとこのステージのボスが登場してくれるだろう。そしてそいつとなら、この装備をしてる私と、いい勝負をしてくれる……に違いない――って勝手に思ってる。本当にそうなるか……は分かんない。わかんないけど、でもきっと私の期待に応えるくれる……そのはずだって、私は言い聞かせてるよ。
繭が開いて、なにやら演出なのかそれとも何かの攻撃なのか……白い蒸気というか、モワモワとしたものが一緒に出てきて視界を妨げてる。私は武器を構えていつだって対処できるようにして油断なくこの白い視界の中、全体をまんべんなく見てる。どんなささやかな動きも見逃さないように……ね。そう思ってると、ペタペタ……という音が聞こえてきた。
(どうしよう……先にしかけるか? でも……)
私はちょっと迷ってる。だってなにせ、私の今の装備は強力すぎる。もしも……だよ? もしもこの敵が私の期待どおりじゃなかったら? その場合、一撃でグラッパルのように爆散する可能性がある。
そうなると……嫌だなって。油断はもちろん戦場では命取りだ。もしかしたら敵が即死攻撃をしてくる可能性だってある。それを考えたら、位置が先にわかってるならきっと先に動くのが定石。
てか戦闘では絶対的に先手を取るのが鉄則だろう。でも今の私は慢心してる。この装備なら大丈夫でしょって思ってる。てか普通に即死攻撃はこの装備のお陰できかない。だって能力に『即死無効』があったもん。
なので私は相手の出方を伺うことにした。それでもきっと大丈夫でしょ。
(これは油断じゃないから。絶対に油断はしない)
とりあえず緊張感は持っておくことにした。ペタペタという音が近づいてくる。そして人影が見えて、更にそれが濃ゆくなってきて、さらには遂にその姿がみえる。私はその姿をみて、びっくりするよ。なぜなら……
「レシア……なの?」
眠たげな目をしたかつての姉妹が姿を表したからだ。実際、姿形はちょっと変わってる。背中にはドラゴンのような羽があるし、尻尾もある。手足の先端らへんはなんか鱗みたいなのもみえる。
明らかにその姿は変容してる……リセット前の世界から……けどその顔は……間違いなくレシアだ。お兄ちゃんが用意してくれたこの世界でのわたしの姉妹。その一人のレシアだと私は確信するよ。