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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2034/2701

2034 前に進むためのXの問い編 407

魔法とスキルの融合……実際スライムたちは壁になってる間は何かをしてくることはない。迫ってきて、圧迫感や焦りを感じさせてくるが、それはこっちの心の弱さの問題だ。


 迫ってくる壁を見て、私は自分が圧死させられる想像をしてしまうからいけない。いやスライムだから実際はその中に取り込まれての窒息死かもしれない。とりあえず迫ってくる壁を見て、勝手に慌てふためいてるのが現状の私だ。


 


「焦るな私……焦ったら、詠唱はうまくいかない。そうシルクちゃんも言ってたじゃん」


 私はこのLROでもかなりの魔法使いであるシルクちゃんに魔法を教わったこともある。まあ魔法というか、詠唱のコツってやつだ。実際詠唱はただその詠唱を口ずさめば良い――ってわけじゃないらしい。どれだけ、どこに……どの文面、単語に思いを込めるか……それが大事だとか。


 あとは理解。詠唱に対する理解とか言ってた。はっきり言って、結構難しい。実際、後衛ならそれらをじっくりと考えながら詠唱できると思う。けど私が求めてるのは、そういう魔法ではない。


 前線で戦いながらも、素早く発動できたりする魔法である。だからこそ、詠唱はなるべく短いほうがいいし、ぱぱっと口ずさめるのか理想だ。でもそんなただ口ずさむだけの魔法には本当の効果にはならないんだとか。


 いや、実際ちゃんと効果は発動する。炎は現れるし、当たれば当然ダメージになる。けど同じ魔法でもぶつかりあった時に、何が勝敗を決めるのか……それはより理解が深い方であり、思いが強い方。


 でも実際、思いってのは人それぞれで、テンションだってある。思いには知識は別に関係ないから、誰だって込めることができるだろう。実際そっちが手っ取り早い。けどその差ってのはわかりにくい。どう判断するかはシステムだしね。そこで更にシステムが判断するのは詠唱に込められた知識らしい。知識というか理解というか……そんなの。


 だから私もそれを意識して詠唱をする。私はシルクちゃんが大好きだ。なにせカワイイし、優しい……一緒にいたら落ち着く……きっとシルクちゃんみたいな人は皆に好かれるんだろうなって思う。


 日鞠ちゃんとはまた違った感じでカリスマ……とまでは言えないかもしれないが、愛される何かを持ってる気がする。だからそんなシルクちゃんの教えを私は守るのだ。シルクちゃんは後衛で補助魔法が中心で、武器に属性を付与したり、武器を使って接近戦する前提の魔法とか使わないから、そこら辺の詠唱は詳しくない。


 でも一緒にこの詠唱の意味とか考えてくれたり、その知識でたくさん助けてくれた。この状況なら、十分詠唱はできる。私が焦らなければ……だ。スキルだけで回すのは無理だ。


 だから魔法を使う。これは私が魔法とスキルのハイブリッドな戦闘を行うために必要な試練なんだ!!


「万夜に咲つっ……」


 早速噛んだ。私のアホー! これはたった二小節くらいの詠唱だ。それで噛むとか……動いてもないんだよ。息を整えろ。変なところで言葉を切っても駄目だ。そうなると詠唱の情緒が壊れる。それも魔法には僅かに影響するらしい。


「万夜に咲く貴方に願う。一片の欠片、溢れた雫、それを汲むことを許したまえ。集え、月の雫」

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