2030 前に進むためのXの問い編 403
「硬い!?」
なんか普通に弾かれた。いやいや胃袋は壊せたじゃん!! 私はドラゴンの内蔵に 文句を言うよ。けどそんなのは意味はない。だって内蔵が応えるわけはない。そんなこんなしてると、スライムたちが迫ってくる。
「とりあえず安全地帯に……」
いや、そんな場所があるかわかんないが……とりあえずスライムから距離をとることにする。大丈夫、奴らは愚鈍だ。私のスピードでも十分に逃げ切れる。それから私は剣で壁をひっかきつつ、柔らかい場所はないかと確かめながら走った。いうなれば、小学生が棒を持って壁に当てながら歩くようなものである。
まあこっちは剣でやってるからね。やられる方はたまったものではないだろう。けど大丈夫、今のところまったく傷ついてない。
「胃袋はたまたま柔らかかったのかな?」
そんな予想が出てくる。それとももしかしたら何か弱い属性があるとか? でも胃袋の時は何も考えずに壊せた。でもそういうこともあり得る可能性はある。私はとりあえず簡単に纏わせられる炎を纏わせてみた。
「ファイヤーソード」
これはどんな武器にも炎を纏わせる事が出来るスキルだ。ソードとか言ってるが、別にソードである必要はない。小手とかにも纏わせる事ができる。けどこれは見た目的には格好いいけど、そんなに強いかというとそうでもない。見た目重視だね。そもそも斬るのって一瞬じゃん?
このファイヤーソードの火力ではその一瞬では「あつっ!?」って感じるくらいしかしないんだよね。ちゃんと突き刺してその場にとどめておけばそこそこのダメージは出るけどね。ようは継続して焼かないとこのファイヤーソードでは大したダメージは稼げない。
そういうスキルだ。けど格好いいから皆取ってるスキルである。なにせ炎が刀身に纏う演出から含めて格好いいからね。ちなみにこれはスキルを発動してる本人にはその熱は伝わらない。だから私が熱く感じることはない。
とりあえずファイヤーソードにして、私は壁に剣を当てながら走る。それで何か変わったか? といえば……
「うーん、ちょっと柔らかくなった? いや気のせい?」
そんな感じだった。