2029 前に進むためのXの問い編 402
「弱点がないって……反則じゃん」
私はとりあえずどうしたか……まあこんなのは相手にする必要って無いよね。ってことで逃げることにした。そもそもがスライムとは鈍重な生物であるいや、体内にいるから生物ではないかもしれないけど……そんな素早くないのがスライムという存在だ。なら逃げるのだって簡単。脇を通り過ぎるのだって簡単だろう。私はそこそこ素早さとかあるからね。
それは近くにスオウとかいう素早さ特化してる奴がいるせいでそんなでもない……とか思われてるが、私はどっちかというと素早いほうだ。実際、力に特化することだって出来るけど……スマート目指したいじゃん。
このLROなら、別に私のような細腕だって、やりようによっては拳で岩を砕く……なんてことだって出来る。だって別に筋肉に依存してないからね。リアルではそれこそいくら筋肉を鍛えたとしても拳で岩を砕くなんて難しいだろう。手のひらサイズなら握りつぶすとかできそうではあるけど、流石に巨岩を砕くなんて出来ないじゃん。けどここでなら出来る。
それは男女関係なくだ。だから私だって威力に特化するとか出来る。けどそっちは選んでない。沢山のスキルがあるんだからそれらを駆使して華麗に戦う……とかが格好いいって思ってる。というわけで素早く私はスライムの横を通って避ける事を選択する。
「ばいばい」
そんな事をいって、私はスライムの横を通り抜ける。けど……そう来たか……普通に次々にスライムが出てくる。その数は数えるのも億劫になるほどだ。てか体内の抗体とかなら、それこそ数に限りなんてなさそう。
「栄養が足りてなければワンチャン……限界とか……」
もしかしたらこの抗体を作る栄養素が枯渇すれば出てこなくなるんでは? って思ったけど、そんなことないよね。とりあえずそれでも私は通路を埋め尽くされる前に素早く進むのに徹する。
だってこんなに出てくるのなら、一回相手にしだすとその内に囲まれてしまう。そしてここには逃げ場なんてない……
「いや待って」
私はここで気づいた。なんでこうやってバカ正直に道なりに進んでいるんだろうってね。だっていま私は体内にいて、そして体内からならドラゴンの肉体にダメージを与えられるのだ。それなら……体内で暴れまくればこのドラゴン事態を倒せる可能性があるんでは?
このスライムしかここで出てこないのなら……それこそ心臓とかを直接ぶっつぶせれば……
「ある?」
私は早速壁を攻撃することにした。




