2013 前に進むためのXの問い編 386
「なんでそんな事を私達が……」
(なんでって楽しいじゃん! 危険の中に最高の楽しさがある!!)
なんか頭に響く声で断言してくる妖精。そりゃあ見る側は楽しいだろうね。だっていわいるこいつらは高みの見物――って奴をしてるからね。ようはコロッセオで殺し合いを見て楽しんでる奴らと同じである。
あんな可愛らしい容姿をしてて、やってることは野蛮この上ないっていうね。
(まあまあ、あのドラゴンの持ち物はお姉さんたちに上げるから。なかなか貴重品を溜め込んでるよ)
「なんでもいいの?」
(なんでもいいよ。僕たちが二人が持ち帰った物を評価するからね。そこらへんも考慮してね)
奴らの何を考慮しろというのか? 奴らの性格? それならますますわかんないっていうか……だって私が欲しくなるような貴重な武器やスキルが宿った何か……があったとしても、それって私が欲しい物であって、妖精たちの求めてたものじゃない可能性が高い。そもそもが奴らが何を求めてるのかなんて全くわかんないし……なにか面白い物を求めてそうだけど……その面白いって定義が曖昧じゃん。
「どうす……ちょ!?」
どうする? やる? とか聞こうと思ったら、既にメカブちゃんは動き出してた。こういうところではなぜか迷わないよね。普通にメカブちゃんなら理不尽だー! とか、なんで私が……とか言いそうなのに、そんなのない。さっさと歩いてる。てか……流石に堂々と歩き過ぎでは? 普通はこういう時って抜き足差し足忍び足ってやつで行くでしょ。でも普通にメカブちゃんは歩いてる。けど、普通に歩いててもなんか足音してないけどね。ザッザッとかなりそうなものだけど……スキルかな?
そんな隠密系のスキルなんて持ってたんだ。以外だった。私もとりあえず注意しながら
、その後に続く。案外メカブちゃんを見てると、あのドラゴン起きそうも無いし、ぱぱっと終わらせればいいだろう。てか……
(これって、物を獲ったあとはどうするの?)
ふとそんな疑問が浮かんだ。盗んだとして、それからはこの洞窟から脱出すればいいのだろうか?
(それは大丈夫だよ。ほら、後ろを見て)
頭に響く妖精のそんな声に従って後方を見ると、私達がいた場所がなんか光ってる。
(あそこまで戻ってきてたら、転送してあげる)
「なるほどね」
ようはもしも見つかっても、あそこまで戻ってこれたら、どうにかなると……そういう事か……まあ見つからないのが一番いいんだろうし、とりあえず私は慎重に行くよ。