2009 前に進むためのXの問い編 382
なんかハイ・サンダーエレメンタルが複数人の妖精へとなった。何を言ってるのかわかんないかもしれないが……私だって何が何だかわかんない。どういうこと? いや、つまりはさっきまで私が戦ってた相手というのがこの妖精たちのイタズラだった? ということ?
「どういうこと?」
私は思わずそう言葉が出てた。だってめっちゃ真剣だったんですけど……そもそも妖精に擬態能力があるなんて……聞いた事ない。いや妖精はイタズラ好きってのはよくある設定だけど……でもまさか妖精がモンスターになってる……なんて思わないじゃん。その意味を教えてほしい。
(いや、意味があるんじゃない)
私はふとそう思った。いや、そう思わないとなんかやってられないってのもある。だって今までの私の頑張りは? この手に握った私の土の魔法の札はどうなるのよ? 強く握ってたから皺くちゃだよ! いや、インベントリに戻せば綺麗に伸びてくれる思うけどね。アイテムとかはインベントリに戻すと状態を復元したりするものもある。完全に壊れてたらインベントリないで「破損」とかでてくるけどね。でも皺ができたくらいならきっと伸ばしてくれるだろう。
「ねえ、これって……」
私はハイ・サンダーエレメンタルだった妖精たちに近づいていくよ。
「おねーさん、楽しかったよ!」「うんうん、必死な顔も可愛いね」「ゾクゾクしちゃった」
なんか妖精って変な性癖があるんだろうか? ってちょっと引いた。なんかめっちゃ彼らは楽しんでたみたいだけどさ……私は必死だったからね。
「メカブちゃんは気づいてたの?」
「ううん、私だって知らなかったよ。ただこの子に言われた通りにやっただけ」
そこに嘘はないように見えた。メカブちゃんが合流したから、私に注目を集めてる間に、メカブちゃんを使ってこの遊びを終わらせたって事なのかな? もしも合流してすぐにメカブちゃんも姿を表してたら、きっと今も私はあれをハイ・サンダーエレメンタルと思って戦ってただろう。
「えっへん!」
「いや、気づいてたなら教えてよ」
「えーだって教えたら面白くないじゃん!」
この妖精め……可愛いからって全てが許されると思うなよ……てちょっと思った。まあそれを言ったら自分にもブッ刺さるんだけど。
「で、これってなに? ただの遊びだったの?」
私はそう言いつつ、ちょっと期待してる。何を? って、それはもちろんこれって何か試練で、この遊びで認められたら妖精の里への招待がくるんでは? ってね。
「うんそうだよ!」「楽しかったね」「今度はバレないようにやるぞ!」
なんかそういうのはなさそうだった。