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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2007/2701

2007 前に進むためのXの問い編 380

なんというか、思わずと言った感じだった。実際、もう追いついてるなんて思ってなかった。ただなんとなく、そこらにいるかもしれないなって……そう思っただけだった。けど普通にいた。私とメカブちゃんは目が合った。そして無言でサムズアップしてきた。私はちょっとカチーンと来たよ。この状況わかってるよね? 私ピンチ――なんですけど? 実際、無駄にお金がかかる札を使うよりも、二人で仕掛けたほうが楽になるのは明らかじゃん。そもそもがメカブちゃんはサポートタイプの後衛である。私が前を努めて、メカブちゃんが後衛なのは普通に良いバランスだ。てかせめてバフをお願いしたい。それかハイ・サンダーエレメンタルへデバフをかけるとかさ、そういう役割を果たしてよ。


 流石に後衛であるメカブちゃんに私と同じように近接で斬り結べ――なんていうきはない。私だってそこまで鬼じゃないし、そもそもがメカブちゃんが前に出ても邪魔なだけだ。一応私もメカブちゃんもオウラさんに訓練をつけてもらってはいる。いや、メカブちゃんは最初の一回で弱音吐いて、それ以来一緒にやったことないけど。私だって、オウラさんの訓練はLRO以外では無理だと思ってる。


 実際リアルの私は車いすだし、訓練なんて無理なんだけど……そんなオウラさんにそこそこの頻度でリアルでも訓練をしてもらってるスオウはおかしい。Mに目覚めたのかもしれない。てかまあ、そんなことはどうでもいいことだよ。今は目の前の状況だ。私はとりあえず緊急事態だし、言葉を紡いでる余裕なんてない。


 なので視線に意思を込めることにした。


(お願い、バフとデバフだけでもやって。出来るなら、敵の妨害も!!)


 なに? なんか要求がおおくなってないかって? いやいや、私だけ頑張ってるのおかしいじゃん。私は基本、リアルではちやほやとされる側である。私はカワイイからね。それに車いすというハンデもある。だからみんなに助けてもらって、チヤホヤされてる。


 でもLROでは健常者と変わらないから、カワイイ以外ではアドバンテージもない。というか、LROは皆さん基本キャラクリしてるから、大体は美男美女が溢れてる。せっかくキャラクリ出来るのなら、それはまあわざわざブサイクになんてしない。そんなのやるやつはネタを狙うやつだけだ。


 いや、一定数いるけど……大体は美男で美女がおおい。だからここではそこまで自分の可愛さってやつはそこまでアドバンテージにはならない。まあだから私はここでは普通……水準なのだ。でもそれはある意味で私には新鮮だった。なにせ小さい頃から私はチヤホヤされてたからね。


 けどそれも最初のうちだけっていうね。やっぱり普通よりチヤホヤされてたほうが生き得というか? ラッキーなことがおおい。普通に接してもらうことに憧れてたのに、なれてしまうとやっぱりチヤホヤを望んでしまう。それが人の業ってやつなのかもしれない。そんな私だから、私が頑張ってるのに楽しようとしてるメカブちゃんへの要求が多くなってしまうのは仕方ない。仕方ないけど……


 「ちょっと!!」


 私は思わず声を出した。そんな余裕ない。いやいや、あいつら……というかメカブちゃんがなんか楽しく妖精とやってたらそれは声も出るよ!! 今の私の心境を吐露しようか? それはこうだ。


【私は!! 頑張ってるんですよ!!】


 である。

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