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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2006/2701

2006 前に進むためのXの問い編 379

「よし、いけ!」


 私は炎の札を使って、ファイヤーボールを作った。一つの札では拳大のファイヤーボールが生成される。でも流石に一個じゃどうだろう? と思って、一気に三つ使った。本当ならこういう森では火魔法は一番選んじゃいけない魔法だろう。けどここはクリスタルの森だ。


 クリスタル化してる植物たちは燃えにくい。だから大丈夫。弱点属性じゃないと効果は薄いが、魔法は派手だからね。そっちに注目してる間に私自身がハイ・サンダーエレメンタルへと近づくのが目的だ。


 だから別にあれが撃ち落とされたとしても別にいい。取り敢えず私はまだまだこの札の使い方とかよくわかってないから、発動→発射、としか使えない。だからファイヤーボールはまっすぐに飛んでいくしかできない。


 これが後衛の魔法使いの人たちが作った魔法とかなら、ある程度は軌道を操れたりするみたいだけどね。流石に札で作り出した魔法にはそこまでの機能はないよね。もしかしたら個人で作ってたりする人の作品にはあるかもしれない。


 実際LROはなんだって出来るし、こういう札を自作してる人がいないとも限らない。時々、フリマというか、各街にある端末というか、プレイヤーが使えるそういう装置に売買できる場所とかあるけど、そこには色々と出品されてたりする。


 こんなの誰が買うの? とかね。だからここは趣味を実現できる場所でもあるのだ。だからこの札自体を作ってるプレイヤーがいたとしてもおかしくない。実際何かに魔法を込めるって定番じゃん。


「早い……」


 私が作った三個のファイヤーボールは案外あっけなく砕かれた。向こうのサンダーボールがぶつかって相殺されたんだ。でもその間に私は風の札を使ってた。風の札にはウインドエッジという魔法が込められてる。


 これは風の刃を素早く放つって魔法だ。刃の長さは一メートルくらい。威力は木の幹に数センチ食い込むくらいである。はっきり言って、ウインドエッジが直撃したとしても、あの固そうなエレメンタル系の敵にはダメージにならないと思う。


 けどダメージを期待してるわけじゃない。やつが少しでも守りに入ってくれたらそれでいいんだ。だってずっと魔法での猛攻が続いてる。いくら私たちプレイヤーがリアルよりも数倍はここでは動けると言っても、疲れは溜まる。本当なら仲間であるメカブちゃんに期待したいところなんだけど……あの子が何かやってくれるかって思うと……ね。


(何もやってくれなさそうだし)


 メカブちゃんはそういう女だ。期待するだけ無駄っていうか……むしろ既に近くにいてもおかしくない。そんなことを思ってるとふと見た方向にいた。


「あっ」


「……」


 なんか無言で妖精と一緒に親指立ててきた。いや、戦ってよ!!

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