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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1998/2706

1998 前に進む為のXの問い編 371

「う…………うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」


「ちょっと待って!!」


「あーあ、泣かしちゃった」


 私の最低な発言を拾った妖精は上機嫌だったその顔をだんだんとしかめていって、最後には涙をポロポロと零して泣き出した。そしてたまらなくなったのか、その場から逃げるようにして飛んでいく。


 もちろん私は追いかけた。なんか後ろから囃し立ててくるメカブちゃんがうざい。さっきから走りながら「なーかした、なーかした」とか言ってるし。確かに私が悪い。それは認めよう。でもさ……だって何か意味あるって思うじゃん。それなのにただのそこらに生えてる草で作った指輪って……確かにそんなこともあるのかな? でも期待してたんだよ。


 それがただの装飾品であったときの気持ちだよ。ついつい出ちゃうでしょ。


「いやいや、普通贈った本人の前であれはない。私にだってそのくらいのデリカシーはある」


 くっ、何も反論できない。なにせこれは私が百パーセント悪いからだ。でもメカブちゃんにだけは言われたくないって気持ちがある。小さな妖精を森の中で追いかけるのは大変だ。なにせ枝や草とかめっちゃ邪魔だし……それにいつ消えるかとかヒヤヒヤしてる。


 でもなんとか追いかけられてるのは妖精は飛んでる時に鱗粉? なのか光の粒子なのか……よくわかんないが、その羽からそういうものを発してる。それが妖精を神聖な存在な感じに演出してるわけだけど、そのおかげで私たちはなんとか妖精を追えてる。


「ねえ、疲れた」


「はあ!?」


 なんか突然メカブちゃんがそんなことを言って足を止める。疲れたって、別にまだ走って5分も経ってないよ。実際森の中を数分走るだけで本当なら息を切らしたっておかくはないと思う。リアルでは走ったことないから知らないけどさ。


 でもそういうものでしょう。けどここはLROだ。リアルじゃない。LROではプレイヤーの身体能力はめっちゃ向上してる。リアルでできない動きだってできる。具体的にいうと、木を駆け上がるとかできる。


 リアルではそれこそ武器を持って走り回るとか、それこそ大半の人がすぐにへばることになると思う。でもここではそんなことはない。スタミナに運動能力……それらが全て向上してるんだから、こんな早く疲れたなんてない。


 いくらメカブちゃんが冒険してないと言ってもだ。絶対に面倒になっただけでしょ。私たちの目的を忘れたの? 妖精の里に行くことだよ! そんな簡単に諦められないでしょ。


「とりあえずパーティー組んでるんだし、後で私は追いつくから、先に言ってて」


「もう……気をつけてよね!」


 さっさとその場に立ち止まるメカブちゃん。私は一瞬どうしようかって思った。メカブちゃんを説得して二人でいく? でもその時間が惜しかった。そもそもメカブちゃんの相手をするのが面倒って思ったので、取り敢えず先に行くことにした。


 一人だとこのクリスタルの森はそこそこ危険なんだけど……まあなんとかなるでしょ。メカブちゃんもなんとかしてよね。

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