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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1996/2746

1996 前に進む為のXの問い編 369

「きゃあああああああああ!?」


 そんな妖精の悲鳴が森へと響く。私はすぐに「やめなさい」と言ってメカブちゃんの頭をポコっと叩いた。


「ようやく捕まえたのに」


 とか言ってたが、とりあえず離させることに成功はした。私は怯えてる妖精に目線を合わせるようにして謝った。


「ごめんなさい。こんな事するつもりじゃなかったの。怯えないで」


「いやー食べないでえええええ!」


 なんかまだ妖精は混乱してるみたいだ。さっきからずっと絶叫しっぱなしだ。喉大丈夫? と思う。一体どうしたら? このままだときっと再び消えてしまう。それは困る。そう思ってると再びメカブちゃんが動いた。余計なことしないでよね……とか思ってたらなんかその手にヌイグルミを持ってる。白い兎のヌイグルミだ。蝶ネクタイやカワイイ服を着てるウサギさん。


「ごめんごめん。嬉しくなりすぎちゃった。ほらほら、全然怖くないよ。こっち見て。キュルルンキュルルン」


「え……貴方も妖精なの?」


 うん? 妖精っ馬鹿なのかな? いや、ちょっとお馬鹿な方が女の子は愛嬌になるしね。それが妖精ともなると、プラスにしか働かないかもしれない。実際、メカブちゃんがぬいぐるみを操ってるの見えてるはずだが……


「そうだよ~。私はうさニャンだよ」


「うさニャン、私は妖精だよ!」


「妖精さん。お名前は? 教えて欲しいなぁ」


「名前? そんなの必要ないよ! 私たちは皆で一つ! 妖精は皆で皆!」


 うん? なんかよくわかんないことを言い出した? それには一瞬メカブちゃんも「何いってんだこいつ?」的な顔をしたが、相変わらず指先の人形はちょこちょこと可愛らしい動きをしてたから妖精は気づいていない。でも名前が無いのは不便では? なにか別の方法で識別できるのだろうか? 


「そっか、じゃあ妖精さん。落ち着いてくれたかな? 私達もう友達だよね?」


 なんか圧が強いな。普通はそこは「友だちになってくれる?」とかから始めない。いや、コミュ障な私が言うのもなんだけどね。今や私にも友達がいっぱいいるが、それは向こうからよって来てくれただけで、自分で得たのかどうかよくわかんない。


 なにせ私は顔がいい。それに学校は同年代の子達が集まってるから、自然と集まって来てくれる。病院とは違うのだ。メカブちゃんは煩わしいのは嫌いだから、さっさと会話を進めたいのかもしれない。でも実際妖精相手にはそれで正しいのかもしれない。だって以前にあった妖精はそれこそ怒涛のおしゃべりでこっちの話聞いてくれなかったし……それならこっちから圧を掛けていくのがいいのか? 


「私達友達! 嬉しい!! うさニャンにはこれを上げる!!」


 そう言ってなにやら妖精がくれた。それがなんとメカブちゃんの指にハマる。つまりは指輪だった。けど金属製じゃない。蔦が絡まったみたいな指輪。そしてアクセントとして、白と赤い小さな花が咲いてた。


「ふふーん」


 なんかやってったぞ……的な表情してるメカブちゃんがムカつく。てかこの妖精、ちょろくない?

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