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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1992/2746

1992 前に進む為のXの問い編 365

なんとか孤児院を出ることが出来た。それから私たちはとりあえずクリスタルの森に二人で行くことになった。孤児院はオウラさんにまかせてる。まあちゃんとNPCの人もいるけどね。なにせ24時間、私達が孤児院に居ることは出来ないからね。


 だからちゃんとシスターが普段はいる。その人に色々とやってもらってるわけだ。おっとりとしたとても優しい人だ。まあそのせいでメカブちゃんにこき使われてるが……でもそんな感じでもメカブちゃんの事は好きらしい。


 不思議である。自分をこき使う相手をすきでいるなんて……なんかそこら辺メカブちゃんって上手いんだよね。わがままをいう許容量を見極めてるというか? ヘイトを溜めすぎないギリギリを本能で分かってるというか……そんな感じだ。だから今日も「よろしくね」と言って颯爽と出ていこうとしたときに、かなり心配されてた。


「だいじょうぶですか? お弁当は持ちましたか? 回復薬は? 連絡手段はちゃんとありますか?」


 とか言われてた。いや本当にどっちが院長なのか……まあそんなこんなで私たちは街にあるゲートで一時エリアを渡って、クリスタルの森の近くの村に出て、そこからヴァレル・ワンを使って移動してる。


 私達は大会には参加しなかったわけだけど、ちゃんとヴァレル・ワンを作ってはいた。それもレース仕様のピンキリなやつではなくて、もっと実用的なやつである。スピードはそんなにでない。けど一人用のヴァレル・ワンを二人用にして、あとは荷物とかも詰められる様になってる。それにスピードよりも運転性能に振ってて、今はメカブちゃんの運転なんだけど、彼女でも危なげなく運転できるくらいにはとても簡単にできるようになってる。


 村を出るとすぐに大自然になるわけだから、じっさいこういうところはヴァレル・ワンとかではなかなかに走りにくいものだ。というか車みたいなそういうテクノロジー的な物はちゃんと整備された道路とかで走るのが前提だろう。そこまでではなくても、せめて普段から人が使ってる街道とか……そういうところで使うのが普通だ。


 ヴァレル・ワンもやっぱりだけどある程度ちゃんとした場所で走るほうがいい。そもそもLROでは身体能力がリアルよりも圧倒的に高いんだから、複雑なところは走ったほうが早いまである。そして森に近づいてる道中というのは勿論、普段から人が定期的に通るようなところではないわけで、獣道なわけだ。私達のヴァレル・ワンは二人乗りでも一人乗り並にコンパクトだし、運転性能も高いからどうにかこうにか進めてる。勿論あっちこっちジグザクと進むわけだけど、それでもスピードを落とさずに進めてるからかなり早い。


 てかなかなかにメカブちゃんが上手い。いや上手くはない。なにせさっきからぐわんぐわんしてるしね。本当に上手い人はそれこそギリギリでスイスイスイって障害物を避けていくんだろう。それこそレースで見たスオウのようにね。スオウも私達と同じ様にスピードよりも運動性能というか操作性を重視してた。そして優勝してるんだから、私達の考えは間違ってなかったと言える。


 メカブちゃんの快適ではない運転でなんとか私たちはクリスタルの森へとたどり着いた。二人だし、そもそもがメカブちゃんがどれだけ戦えるかもよくわかってないから、戦闘はなるべくしない方針で行くことにした。


「わかってるよね? ちゃんと周囲を注意しながら……ってもう!」


 そんな注意をしてる間にメカブちゃんはスタスタとそれこそ街中を歩くみたいに無警戒で歩いてく。もう言ったそばからこれだよ!!

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